川岸良兼の次女・史果 PO制して涙の6年ぶりV 両親の支えで復調

[ 2023年6月5日 04:30 ]

女子ゴルフツアー リシャール・ミル・ヨネックス・レディース最終日 ( 2023年6月4日    静岡県 朝霧ジャンボリーGC=6687ヤード、パー72 )

<リシャール・ミルヨネックスレディース・最終日>キャディーを務める母・麻子さん(右)と優勝トロフィーを手に笑顔を見せる川岸史果(撮影・西尾 大助)
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 第1ラウンド(R)の残りと9ホールの決勝Rが行われ、川岸史果(28=加賀電子)が通算9アンダーで並んだ佐久間朱莉(20=大東建託)とのプレーオフを1ホール目で制し、今季初となるツアー通算2勝目を手にした。男子ツアー通算6勝の良兼(56)を父に持つ28歳が1Wの不振を乗り越え、17年マンシングウェアレディース東海クラシック以来、6年ぶりの勝利をつかんだ。大会は初日の中止などにより27ホール競技に短縮され、史上3度目のセカンドカットを実施。賞金加算額は75%となるが、メルセデスランクのポイント配分に変更はない。

 苦しんできた分、喜びも大きい。川岸は真っ先にキャディーを務める母・麻子さん(57)と抱き合い、2人で涙を流した。プレーオフ1ホール目、1・5メートルのバーディーパットを沈めて6年ぶりの勝利を決めた。

 「長かった分、苦しい時期もあった。時間はかかったけど、母のキャディーで初めて勝てたのでうれしい」

 雨と霧による27ホールの短期決戦。第1Rの残りを10番からプレーし、最終18番でイーグルを奪って波に乗る。決勝Rも18番でバーディーを奪って首位に並び、プレーオフに持ち込んだ。初V時はハウスキャディーで、プロゴルファーでもある母から「私の時に勝ってね」と言われていた。最高の形で、感謝の気持ちを表した。

 本格参戦1年目の17年に初優勝。しかし翌18年に1Wが不振に陥り、シードも喪失する。「人に当ててしまうんじゃないか」と思うほどだった。転機は昨年。クラブ契約フリーとなり、多くの種類から1Wを選べるようになって「気持ちが楽に」。今季の平均飛距離は全体17位の約245ヤード。「飛距離を生かしたプレースタイルに戻った」と胸を張る。

 苦しんでいる時期、歴戦の父・良兼からかけられた言葉が胸にある。「初年度が良すぎて、そんなこともあるよ」。今季は何度も会場に応援に来てくれた。この日は仕事で来場はかなわなかったけれど、「いい報告ができる」と声を弾ませた。まだ28歳。「ベテランになってきて伸びしろもないかもしれないけど、優勝を積み重ねていけたら」と笑った。

 ◇川岸 史果(かわぎし・ふみか)1994年(平6)10月13日生まれ、神奈川県出身の28歳。2歳上の姉とともに10歳からゴルフを始める。日大高卒業後、16年に4度目の挑戦でプロテスト合格。17年マンシングウェアレディース東海クラシックでツアー初優勝を飾る。同年に賞金ランク7位に入ったが翌18年に同ランク60位でシード喪失。昨年、4季ぶりのシード復活を果たした。1メートル66。趣味は掃除。

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