実はすごい食材「カッテージチーズ」。低カロリー、低糖質、低脂質なのにタンパク質は高い

[ 2023年6月5日 12:00 ]

チーズといえば、老若男女に愛されている乳製品。その反面でカロリーが高いイメージが強く、どちらかというと“太る食べ物”の一種のような扱いを受けています。

しかし、決してそんなことはありません。種類を選び、適量を摂取すれば、健康面でもダイエット面でも、そして筋トレの強い味方にもなってくれる優秀な食品なのです。

今回は、低カロリーで低脂質、低糖質なチーズ「カッテージチーズ」の栄養と効果的な食べ方、自宅での作り方を紹介します。

カッテージチーズの栄養成分

フレッシュチーズの一つとして知られるカッテージチーズは、低カロリーな食品と言われています。文部科学省の「食品成分データベース」によると、その数値は100gあたり105kcalほど。

プロセスチーズが100gあたり339kcalほどなので、カロリーはおよそ3分の1という計算になります。クセの少ないさわやかな酸味がポイントで、野菜やフルーツとの相性も抜群です。

スーパーで見かけることの多い、雪印メグミルク「雪印北海道100 カッテージチーズ」の場合、100gあたり以下の栄養成分となっています。

原材料名

生乳(北海道産)、食塩/保存料(ソルビン酸K)

栄養成分表示(100gあたり)

エネルギー 114kcal
たんぱく質 17.6g
脂質 2.8~5.9g
└飽和脂肪酸 1.7~3.6g
炭水化物 0.0~2.8g
└糖質 0.0~2.8g
└食物繊維 0.0g
食塩相当量 0.99g
カルシウム 41mg

※雪印メグミルク(株)調べ

カッテージチーズの栄養と特徴

筋疲労の回復に有効なタンパク質が豊富

管理栄養士のそのべひろみさんによると、カッテージチーズは疲労回復効果が高い食材のひとつだそうです。

「スポーツの後にたんぱく質を多く含む食品を摂ることは、筋疲労の回復に良いとされています。カッテージチーズは100g中のたんぱく質が20g程度と、チーズの中でも割合が高いのが特徴。脂質も少なく、疲労回復に役立つビタミンB群も比較的含まれているため、スポーツ後に摂取するには良い選択肢のひとつだと思います。サラダなどに加えるのも良いですね」(そのべさん)

2020食品成分表によると、大さじ2程度で約2.7gのタンパク質が摂れるため、サラダやパン、ヨーグルトなどにちょい足しもいいですね。

また、チーズには必須アミノ酸「BCAA」も豊富に含まれています。

BCAAで期待できる5つの効果

  1. 筋肉を合成しやすい
  2. 筋肉の分解を防ぐ
  3. ケガの回復や疲労回復のサポート
  4. 体脂肪の減少を促す
  5. 集中力の維持

BCAAは食品から摂取することも可能です。たんぱく質を多く含む食品、特にマグロの赤身、鮭、カツオなどの魚や、チーズなどの乳製品に多く含まれています。

自宅で簡単にできる、カッテージチーズの作り方

運動後の栄養補給に有効なカッテージチーズですが、購入するとそれなりのお値段がしますよね。ただ、カッテージチーズは熟成をせずに作ることができるチーズ。

つまり、自宅でも比較的に手作りすることが容易なのです。

材料は牛乳とレモン汁だけ

必要な材料も、それこそ自宅に常備してあるものでこと足ります。牛乳1リットルにレモン汁100ccだけ! これで200gのカッテージチーズが作れるというコスパの良さにも驚きです。

では、さっそく作ってみましょう。

鍋に牛乳を入れて火にかけ、60度に温めます。電子レンジで温める場合は、大きなボウルに牛乳を移して600Wで1分ほど温めてください。

沸騰すると乳酸菌が死んでしまうので、温めすぎないように注意しましょう。

牛乳が温まったらレモン汁を加えて軽く混ぜあわせてください。

時間をおくと、牛乳の栄養は損なわれず脂肪分だけが取り除かれた乳清(ホエイ)と、豆腐のように固まった凝乳(カード)に分離します。

ガーゼを敷いた小さめのザルを用意し、その下にボウルをセット。鍋の中身をザルに入れてこすことで、ホエイとカードを分けます。

ホエイを取り除いたカードをガーゼで包み、水に入れて絞りながら、水が白く濁らなくなるまで洗い続けます。水分を絞りきったら、あとは揉みしだいて好みの固さにしあげていきます。

所要時間は15分足らずなので、忙しい朝でもササッと作ることができますね。

途中でできたホエイにも栄養満点

カッテージチーズを作る過程でできたホエイには、たんぱく質、カルシウム、ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれています。

水に溶けやすく消化吸収に優れており、筋肉の維持や増量に必要なアミノ酸BCAAと免疫成分を多く含みます。

カッテージチーズの食べ方アレンジ

カッテージチーズはクラッカーにのせたり、パンに塗ったり、サラダに散らすなどさまざまなアレンジをして食べられます。

パンケーキに牛乳代わりに混ぜたり、カレーやシチューに入れるなど、料理の隠し味にも使えるでしょう。

運動後に摂取することで、体に溜まった疲れをとることができる食材・カッテージチーズ。手作りをすれば、ホエイも手に入ります。

作り方はごく簡単なので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

[監修者プロフィール]
そのべひろみ
管理栄養士として病院栄養士、飲食店運営を経て、陸上競技実業団専属栄養士としてチームの栄養サポートに従事した後、独立。現在は、プロ野球選手、Jリーガー、陸上長距離などの国内外のプロアスリートから、競技問わずにプロからアマチュアアスリート、ジュニアアスリートの保護者や指導者までを幅広くサポートしている。予防医療の分野にも携わり、一般の方の健康増進、妊活などのセミナー、ワークショップ、栄養サポートも実施。
【公式HP】https://romicompany.wordpress.com/

<Text : もちづき千代子(H14)/Photo:もちづき千代子>

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