報徳学園、高校3冠へ前進!昨年覇者を逆転撃破 WTB海老沢がインターセプトから95メートル独走トライ

[ 2023年1月4日 06:00 ]

全国高校ラグビー大会準々決勝   報徳学園31―21東海大大阪仰星 ( 2023年1月3日    花園ラグビー場 )

<東海大大阪仰星・報徳学園>後半、報徳学園・海老沢はインターセプトから独走トライを決める(撮影・大森 寛明)
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 全国高校ラグビーは3日、準々決勝4試合が行われ、報徳学園(兵庫)は31―21で東海大大阪仰星(大阪第3)を下した。後半26分に高校日本代表候補のWTB海老沢琥珀(3年)が約95メートルを独走し、勝利を決定づけるトライ。高校3冠を目指すチームの4強進出に貢献した。天理(奈良)と京都成章、東福岡も勝ち上がり、抽選により準決勝のカードは天理―報徳学園、京都成章―東福岡に決まった。

 イチかバチかの勝負に出た。24―14で迎えた後半26分、自陣5メートルライン付近のラックから出たボールに対し、素早く反応した報徳学園の海老沢がインターセプト。「パスを飛ばしてくると思った。ハイリスク、ハイリターンの選択をした」。失敗すれば一気に点差を詰められるギャンブルに成功すると、50メートル6秒0の快速を生かして一気にカウンター。約95メートルを走りきり、ガッツポーズでインゴールに飛び込んだ。

 「攻め込まれていたけど(形勢)一気に逆転できた。気持ちいいランだった」

 東海大大阪仰星に対し、花園では過去0勝3敗、前回大会も3回戦で敗れた。宿敵に花園で初勝利。報徳学園にとっては77回大会(97年度)以来25大会ぶりの4強入りを背番号11がたぐり寄せた。

 東京・世田谷の千歳中出身。盟友の高校日本代表候補SO伊藤らとともに報徳学園へ進学した。忘れられない出来事がある。昨年3月の選抜大会。準々決勝の流通経大柏戦を翌日に控えた状況で“事件”が起きた。右手首骨折が治り、復帰予定だった海老沢は、気持ちの高ぶりから勢いあまってミーティング部屋の壁を破壊。修理費約45万円は保険が適用されたものの「興奮していて…」と今でも後悔している。

 豪快なランは、チームに迷惑をかけた借りを返す意味もあった。そんな海老沢に対し、兵庫県内で共同生活を送る伊藤は「あのトライがなかったらキツかったけど、あそこでやってくれるのが琥珀」と称えた。次戦の相手は、今季の練習試合でほぼ互角の対戦成績だった天理に決定。同校初の決勝進出を果たした、その先に高校3冠の栄誉が待っている。

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2023年1月4日のニュース