2位中大 22年ぶりトップ3入り 名門復活も藤原監督「うれしさ半分、悔しさ半分」

[ 2023年1月4日 05:24 ]

第99回東京箱根間往復大学駅伝 復路 ( 2023年1月3日    神奈川・箱根町~東京・大手町 5区間109・6キロ )

富士山を背に力走する中大8区の中沢(撮影・会津 智海)
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 史上最多14度の総合優勝を誇る中大が10時間48分53秒で2位に入った。トップ3入りは01年大会での3位以来で22年ぶり。96年大会以来となる優勝には1分42秒届かなかったが、就任7年目で同校OBでもある藤原正和監督(41)は、24年の第100回大会での復活Vを誓った。

 2番目に切ったゴールテープ。昨年の新チームが発足時に立てた目標、22年ぶりのトップ3を達成した瞬間だった。藤原監督の目に飛び込んできたのは、最後の箱根だった4年生のホッとした表情と下級生の悔しそうな表情。「やっと、こういうチームになった」。頂点に近づいたからこそ、新たな景色も見えた。

 「選手は本当によくやってくれて褒めてあげたい。学生たちが立てた目標を達成できてうれしさ半分、悔しさ半分。やはり頂点を獲りたかったというところも当然あります」

 01年に総合3位に入ったのは、藤原監督が当時2年の時だった。時を経て16年4月に母校の監督に就任。しかし待っていたのは悪夢だ。同年10月の箱根予選会で44秒届かず、最多記録だった連続出場が87回で途切れた。「私の指導力のなさ」と責任を背負い込んだ。

 就任直後はあいさつの仕方やスリッパのそろえ方まで事細かく指導した。ただ、今はもう言う必要もない。選手たちは「少しずつマインドが変わっていった」という。画一的ではなく、40人の部員、一人一人の個性に合わせた助言を送るなど着実に強化。2区で区間賞を獲った吉居大和(3年)ら学生長距離界のエース級も育ってきた。

 往路優勝の駒大との30秒差を追って出た復路は、8区を終えて1分5秒差となり終盤9区で突き放された。王者との1分42秒の差は何か――。監督、選手ともに同じ考えだ。「1年間優勝を目指してきた学校と、3位以内を目指してきた学校との差」(藤原監督)。来年は吉居大、3区区間賞の中野翔太らが最上級生となる。エース吉居大は「一人一人が優勝にこだわっていかないと」と力を込めた。

 藤原監督は言う。「私としては道半ば。来年総合優勝をして終わりでなく、うちが常勝軍団になるんだと思ってチームを率いていく」。まずは24年、節目の100回大会で名門の完全復活を遂げる。 

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2023年1月4日のニュース