【玉ノ井親方 視点】玉鷲、勝ったが踏み込みは甘く気持ちに余裕ない

[ 2022年9月24日 04:00 ]

大相撲秋場所13日目 ( 2022年9月23日    両国国技館 )

<秋場所13日目>懸賞を受け取る玉鷲(撮影・藤山 由理)
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 優勝争いは3人に絞られた。玉鷲が1差で優位な立場にいるが、ここ2番の相撲を見る限り不安は隠せない。錦富士戦は完全に立ち遅れた。12日目の若元春戦で簡単に引いて敗れた嫌な残像が頭に残っていたのか、踏み込みが甘かった。相手の体勢が低かったので、何とか突き落としで勝ったが、気持ちに余裕がない印象だ。

 一方、追う高安は完璧な相撲だった。前日の若隆景戦で、自分の立ち合いの当たりに自信を得たのだろう。まわしを取るとうるさい霧馬山を下から突き起こして、上体を浮かせ圧倒した。3人の中では今、一番勢いに乗っている。

 同じく3敗の北勝富士は翔猿の当たりが低かったところを見逃さず、落ち着いて相手の動きをよく見て突き落とした。高安と北勝富士は優勝の経験こそないが、キャリアも地力もある。勝負はゲタを履くまで分からないというが、千秋楽まで全く展開を読めないのが正直なところだ。

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2022年9月24日のニュース