【世界陸上】諏訪利成氏が見た男子マラソン 駆け引きより力を出し合う展開、西山&星も実力出せた

[ 2022年7月18日 14:10 ]

陸上・世界選手権第3日 ( 2022年7月17日    米オレゴン州ユージン )

序盤は先頭集団でレースを進めた星(左)と西山(同2人目)(ロイター)

 男子マラソンでは、17年ロンドン大会銀メダリストのタミラト・トラ(エチオピア)が大会新の2時間5分36秒で優勝した。30キロを過ぎてから先頭集団を抜け出し、そのままゴールして金メダル。日本勢は星岳(23=コニカミノルタ)と西山雄介(27=トヨタ自動車)が出場し、西山の13位が最高。エース・鈴木健吾は、全63選手の中で唯一の欠場となった。アテネ五輪男子マラソン6位入賞で上武大駅伝部監督の諏訪利成氏がレースを解説した。

 見応えのあるレースだった。細かい駆け引きよりも力の出し合いになった。気温が高くない好条件の中で、スタートから30人ほどの先頭集団のペースが徐々に上がり、ハイペースになる展開。上位勢には、地力の強さがあった。気象条件が良ければ、そこで一気に記録を狙っていく強さがあった。

 13位の西山、38位の星とも今回が2回目のマラソン挑戦。2人とも実力通りのレースができていた。西山は体も絞れており、良い練習ができていたと感じた。今ある力を出し切れた。星は若さもあり、西山に比べると、絞り切れていない印象だった。練習しすぎるとケガのリスクがあり、やらないとペースを維持する走りが難しくなる。星は30キロ手前から離され、35キロ以降の失速があった。

 ここからの経験によって、踏ん張りどころでの走りができるようになる。2人とも多くのレース展開を経験をしていくことで、高いレベルの大会のレースの動きや駆け引きに対応できると思う。

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2022年7月18日のニュース