シピタウ“おかわり” 4度の力強い踊りで「感謝」表現、トンガサムライフィフティーンが届けた思い

[ 2022年6月11日 23:36 ]

ラグビー・チャリティーマッチ   トンガサムライフィフティーン12―31エマージングブロッサムズ ( 2022年6月11日    秩父宮 )

<エマージングブロッサムズ・トンガサムライフィフティーン>試合前、シピタウを舞うラトゥクルーガー(中央)らトンガフィフティーン(撮影・吉田 剛)
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 今年1月に大規模噴火と津波に見舞われたトンガの被災者と被災地の復興支援を目的としたラグビーのチャリティーマッチは11日、秩父宮で行われた。トンガにルーツを持ち、リーグワンでプレーする選手を中心に編成された「トンガサムライフィフティーン」は、日本代表予備軍の「エマージングブロッサムズ」に12―31で敗れたが、被災地支援への「感謝」をグラウンドで表現した。

 キックオフ前から迫力を見せつけた。自陣で円になり、声を張り上げ、その儀式は始まった。トンガ代表が試合前に披露する伝統的舞踊「シピタウ」。この日は、今回のためにつくられたという特別バージョンだ。今月5日からスタートした高知合宿で予行演習を重ね、SOレメキ・ロマノラヴァ(33=東葛)は「シピタウの練習やりすぎて」声が枯れるほどだった。

 チームのテーマは「感謝」。今回着用した特別ユニホームにあるエンブレムにも「KANSHA」と記され、シピタウの最後には「感謝!」と叫んだ。トンガ被災後、リーグワンの試合会場での募金をはじめ、日本ラグビー界で広がった支援の輪。主将を務めたフランカーのバツベイ・シオネ(39=東京ベイ)は「日本の皆さんには1月からトンガのサポートをしていただいて、本当に感謝しています」と伝えた。

 日本ラグビー界とトンガの結びつきは強く、日本で育ったトンガ出身選手も多い。そんな歴史から、ラトゥ・ウィリアム志南利監督は「日本に対して、ありがとうという気持ち」と胸に刻んで試合に臨んだ。

 選手たちは試合後、スタンドに向けて3度、シピタウを“おかわり”。秩父宮に駆けつけた8055人の観客は盛大な拍手を送り、トンガ国旗のフラッグを掲げるファンの姿もあった。ノーサイド。最後は両チームが肩を組んで歌った賛美歌が秩父宮に響き渡った。

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2022年6月11日のニュース