【陸上】空前ハイレベルから一転…100mの標準突破はサニブラウンだけ リレー復権にも暗い影

[ 2022年6月11日 11:05 ]

6月10日の陸上日本選手権男子100メートル決勝で力強い走りを見せる1位のサニブラウン(中央)、2位の坂井(左)、3位の柳田(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 10日に行われた陸上・日本選手権(ヤンマースタジアム長居)の男子100メートルはサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)が制したものの、タイムは10秒08にとどまった。今夏の世界選手権の参加標準記録(10秒05)は準決勝で突破していたため、同選手権の代表に決まったが、男子短距離界は試練に直面している。

 1年延期で東京五輪が開催された昨年は日本選手権前に山縣亮太(セイコー)が日本記録の9秒95をマークし、同じ大会で多田修平(住友電工)も10秒01と好走。サニブラウン、桐生祥秀(日本生命)、小池祐貴(住友電工)を加えた5人が、五輪参加標準記録(10秒05)を突破した状態で日本選手権を迎えていた。

 今季は山縣が昨年10月に右膝を手術したこともあってレースに出られず。春先の故障が響いた多田は日本選手権の準決勝で敗退、桐生は五輪後のモチベーション維持に苦しみ、日本選手権は10秒27で6位。小池も10秒19の4位に終わった。

 坂井隆一郎(大阪ガス)が自己ベストの10秒10で2位、18歳の柳田大輝(東洋大)が10秒19で3位に入ったものの、参加標準には届かなかった。

 25、26日の布勢スプリントなどで参加標準にアタックするチャンスは残されているほか、記録を突破できない場合でも世界ランクで100mの出場権を得られる可能性もあるが、世界と戦うには厳しい状況。バトンミスで東京五輪は途中棄権に終わった400メートルリレーも、メダル争いには高い壁が立ちはだかりそうだ。

続きを表示

2022年6月11日のニュース