井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑤ フェアウエーバンカーからの打ち方

[ 2022年5月13日 12:00 ]

井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑤ フェアウエーバンカーからの打ち方
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 今回はアベレージゴルファーが苦手とする、フェアウエーバンカーからの打ち方です。少しでもボールの手前を叩くと、極端に飛距離が落ちるやっかいな状況です。難易度の高いショットが要求されるため新井貴浩氏も苦戦していましたが、井戸木鴻樹プロのアドバイスでナイスショットを連発。いったいどのようなアドバイスだったのでしょうか。進行役はティーチングプロのジミー常住氏が務めます。 動画で見る・井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑤

 常住 アマチュアの方がフェアウエーバンカーから打つ場合、ダフリやトップといったミスが多く見られますが、新井さんはどうでしょう?

 新井 どちらも出ますね。クリーンにボールを捉えるのが不得意なので、ボールの手前をダフって、距離がほとんど出ないことがよくあります。それを計算してボールの頭を叩くつもりで打つと、たまにクリーンヒットするのですが、そのままトップすることも少なくありません。

 井戸木 確かにフェアウエーバンカーからうまく打つのは難しいですからね。目の前にアゴがあると、どうしてもボールを上げようとしてすくい打つ動きになります。これだとボールの手前にクラブヘッドを下ろしてしまうとザックリ。ボールを直接打てばトップになります。それらのミスを防ぐためにも、ダウンブローで打つ意識を持ちましょう。

 新井 どうすればダウンブローに打てるのでしょうか?

 井戸木 大切なのはアドレスです。通常よりもボールを2~3個分右に寄せます。同時に体重の7割ぐらいを左足に乗せましょう。これだとボールをすくい打つのが難しく、自然とダウンブローの軌道でヘッドを下ろすことができます。ただし、ボールを右に置いた分、ロフトが立った状態でインパクトを迎えるので、弾道が低くなることを頭の中に入れておきましょう。

 常住 弾道が低いとアゴに当たる心配もありますね。

 井戸木 ボールからアゴまでの距離にもよりますが、アゴに当たりそうだと思ったら、ロフトの大きいクラブを選択しましょう。グリーンに届かせるよりもバンカーから脱出することを優先すべきです。

 新井 実際に打つとトップが出ました。

 井戸木 ダフるのを怖がらずに、もっとボールの上からヘッドを下ろしましょう。フェース面が下を向いたままインパクトを迎えるぐらいのイメージです。フェース面が上を向くとダフリやトップが出るので気をつけること。また、フォロースルーを大きくとる意識は必要ありません。バックスイングは通常のショットと同じですが、フォロースルーは低く小さくヘッドを出していきます。

 新井 おっ、今度はうまく打てました。なんだか今までにない感覚ですね。

 井戸木 しっかりとダウンブローで打てましたね。その打ち方なら成功する確率は上がります。

 常住 新井さんのように足腰が強い人は別ですが、アベレージゴルファーだと砂の上でバランスを崩すことも多いと思いますが?

 井戸木 足場がよくありませんからね。そもそも足場が不安定なのに、フェアウエーからと同じように打とうとするから力が入るんです。それが力みにつながり、ミスの原因にもなります。それを防ぐためにも、1クラブ大きめの番手を選び、スリークオーターショットを行うことをお勧めします。

 (取材協力=兵庫・小野東洋ゴルフ倶楽部)


 ◆井戸木 鴻樹(いどき・こうき)1961年(昭36)11月2日生まれ、大阪府出身の60歳。豊川中(茨木市)3年時に日本ジュニア優勝。中学卒業後に研修生となり82年プロテスト合格。93年新潟オープンなどツアー2勝。ショットの精度に定評があり、01年以降7度フェアウエーキープ率1位となる。〝元祖日本一曲がらない男〟。13年全米プロシニア選手権で優勝し、日本男子初のメジャー覇者に輝く。

 ◆新井 貴浩(あらい・たかひろ)1977年(昭52)1月30日生まれ、広島市出身の45歳。広島工高―駒大を経て98年ドラフト6位で広島入団。05年に43本塁打で本塁打王。08年阪神移籍。11年に93打点で打点王。15年広島復帰。16年に通算2000本安打、通算300本塁打をマークしリーグVに貢献。MVPに輝く。日本代表の侍JAPANでも活躍。18年引退後にゴルフを始めベストスコアは87。

 ◆ジミー・常住 本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれ、東京都出身の40歳。日本プロゴルフ協会(PGA)会員。

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