“鉄人”37歳・玉鷲 高見山超え歴代4位の1426回連続出場、04年初土俵から無休 御嶽海下し笑み

[ 2022年5月13日 05:30 ]

大相撲夏場所5日目 ( 2022年5月12日    両国国技館 )

御嶽海(右)を攻める玉鷲(撮影・郡司 修)
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 幕内最年長37歳の平幕・玉鷲が苦手の御嶽海を押し出しで撃破し4勝目。初土俵以来の通算連続出場回数で歴代単独4位となる1426回目の土俵を飾った。休場明けの横綱・照ノ富士は北勝富士をきめ倒しで退け、2日目から4連勝。大関・貴景勝が阿武咲を押し倒し白星を先行。正代は遠藤に寄り切られ、早くも4敗目を喫した。5戦全勝は平幕の碧山、一山本の2人となった。

 左おっつけで大関の出足を必死に食い止めながら我慢比べが続いた。これまでは消極的になって墓穴を掘っていた。しかし、この日の玉鷲は冷静だった。ひと呼吸置いてから頭をつけて前進。がむしゃらに出て御嶽海を土俵下へ吹っ飛ばした。「差されかけたところでバタバタしないように。じっくり落ち着いていきたいなと思った」。過去30回対戦して3回しか勝てなかった天敵を撃破し37歳の笑顔がはじけた。

 04年初場所の初土俵以来、一日も休むことなく取り続け、この日連続出場回数が歴代単独4位に躍り出た。常に記録よりも自分の相撲を取ることを優先。「忘れていた。意識ないです」とおどけるが、外国出身力士のパイオニア、高見山を抜き「その名をつぶさないように」と決意を示した。

 長く現役を務めれば触れられたくない記録もある。現役最多の725勝を挙げる一方で、敗戦も幕内では同じく最多の701敗。多くの涙を流しながらも、その経験を無駄にしなかった。所属する片男波部屋は力士4人。稽古環境は恵まれていないが、序二段の2力士と同時に取るなど工夫を凝らし、場所前には初めて合同稽古に参加するなど向上心を常に持ち続けている。八角理事長(元横綱・北勝海)も「普段からの努力のたまもの」と評価した。

 6日目は徐々に調子を上げてきた横綱・照ノ富士に挑む。勝てば3場所連続金星が懸かるとあれば、鉄人の闘志もぎらぎらと高ぶり始めている。「明日も頑張ります」。19年初場所Vの再現が現実のものとなろうとしている。

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2022年5月13日のニュース