福岡大大濠 28大会ぶりV 最近8大会で準優勝4度…片峯監督「3年生の結束が凄くあった」

[ 2021年12月30日 05:30 ]

バスケットボール全国高校選手権 男子決勝   福岡大大濠59-56帝京長岡 ( 2021年12月29日    東京体育館 )

<福岡大大濠・帝京長岡>胴上げされる福岡大大濠・片峯監督(C)JBA 
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 男子決勝があり、福岡大大濠が59―56で帝京長岡(新潟)に競り勝ち、28大会ぶり3度目となる優勝を果たした。前半から互いに得点を伸ばせず、接戦のまま終盤に突入。福岡大大濠は52―54の第4クオーター(Q)残り1分27秒にPG岩下准平(3年)の3点シュートで逆転し、リードを守り切った。片峯聡太監督(33)は指揮官として5度目となる決勝で念願の頂点に立った。

 残り1秒。勝利を確信した湧川が高くボールを放り上げると、激戦に終わりを告げるブザーが響いた。その瞬間、エースガードとしてチームをけん引した岩下は同じ3年生の泉と抱き合って喜びを爆発させた。

 ようやく頂点にたどり着いた。最近8大会で4度の準優勝。5度目の挑戦で頂点に立った片峯監督は「3年生の結束が凄くあった。勝つために、日本一になるために大濠に来たという選手の集まり」と目を細めた。

 指揮官が感謝した3年生が土壇場で力を発揮した。49―50と逆転された第4Qの残り3分3秒、泉の3Pシュートで逆転する。再び52―54とリードを奪われた残り1分27秒では岩下が3Pシュートを決めて再逆転し、粘る相手を振り切った。

 泉は前日の準決勝から3Pシュートが決まっていなかった。仲間たちから「打ち続けろ!」と励まされ、「最後いいところで1本きて逆転できて凄くうれしかった」と感謝しながら話した。左膝の大けがで昨年は客席で見守った岩下は「優勝という夢のような結果で終われて最高。支えてくれた多くの方に優勝という結果で恩返しできてうれしい」と目を赤くした。

 守備では帝京長岡の身長2メートル5の留学生コネを徹底的マークして粘り強く戦った。準決勝まで平均33・5得点だったコネを19点に抑え、片峯監督は「チームとして守備を頑張り抜いた今大会を象徴するようなゲーム内容だった」と選手たちを称えた。
 県大会の決勝でライバルの福岡第一に敗れてから懸命にはい上がり、優勝の栄冠をつかんだ。前回大会まで8年間、福岡第一と仙台大明成の2校が優勝を分け合ったが、その流れを止めた。28大会ぶりの優勝を黄金期のスタートにする。(村田 有子)

 《亡き田中先生にささげる日本一》片峯監督は「準優勝が続きやっと28年ぶりに優勝。天国の田中先生に胸を張ってやっと報告できる」と話した。恩師である田中国明氏は18年3月に心筋梗塞(こうそく)のため75歳で死去。1965年からバスケットボール部を指導し、全国屈指の強豪に育てた上げた名将に優勝をささげた。

 《1、2年生も躍動》大会ベスト5には岩下、湧川(2年)、川島(1年)と福岡大大濠の3選手が選出された。湧川は得点能力の高さが光った。「来年は(岩下)准平さんのような頼もしい存在がいなくなるので、自分が頼もしい存在になってこの舞台に立って優勝したい」と宣言。留学生コネと渡り合った川島は「先輩たちがどんどんやれと声を掛けてくれたので、強気で最後の守備の面でもリバウンドに果敢に飛び込めた。来年、再来年も優勝目指して頑張りたい」と話した。片峯監督はガッツあふれるプレーでチームを鼓舞した副島(2年)も高く評価。副島は「来年も優勝して2連覇を達成したい」と誓った。

 ◇福岡大大濠 1951年(昭26)に福岡商科大付属大濠高校(男子校)として設立。56年に現校名となる。2012年から男女共学になる。クラブ活動は盛んで、野球部は甲子園に春夏合わせて8度出場。主な卒業生に森山良二(ソフトバンク1軍投手コーチ)、博多華丸(漫才師)らがいる。所在地は福岡市中央区六本松1の12の1。

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2021年12月30日のニュース