内藤雄士&野田すみれ【90切りからのステップアップ】第9回 100ヤード以下をより正確に打つ方法

[ 2021年8月27日 12:00 ]

内藤雄士&野田すみれ【90切りからのステップアップ】第9回
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 今回で最終回を迎えますが、皆さんのスコアアップに役立ちましたか?最後のテーマは100ヤード以下の中途半端な距離をより正確に打つ方法です。内藤雄士コーチによれば、体の軸を中心とした運動量を把握することが大切だと言います。実際に野田すみれさんが試してみると、すぐに効果が表れました。まずは、SWでハーフショットを行い、どれだけ飛ぶのか把握することから始めましょう。

 内藤 野田さんは100ヤード以下の距離を打つ際、何ヤードぐらいを難しく感じますか?

 野田 30ヤードぐらいが苦手ですね。ボールの手前をダフったり、トップするミスが多く出ます。

 内藤 ちなみに58度のウエッジでフルショットしたときの飛距離は?

 野田 70ヤードぐらいです。その距離とグリーン周りからのアプローチではミスすることが少ないんですけどね。

 内藤 ということは、中途半端な振り幅になったときにミスが出るわけですね。原因としては、スイングが緩むことによって、インパクトが安定しないことが考えられます。

 野田 自分でもスイングスピードが減速したときにミスが出ている感じはあります。

 内藤 野田さんのスイングを見ると、振り幅というよりも、インパクトの強弱で距離を調節しています。それもインパクトが安定しない理由でしょう。やはり、インパクトの強さを一定にして、振り幅によって距離を打ち分ける方法が距離感を出しやすいと思います。30ヤードを打つなら、両手が時計の9時から3時の振り幅になるようにスイングしてみましょう。

 野田 振り幅の他に注意点はありますか?

 内藤 体の軸を中心に回転することです。小さなスイングでもしっかりと体を回すことを意識しましょう。試しに、クラブを持たずに、両手を胸の前で交差する形を作って下さい。スタンスを広げて、上体を前傾します。実際にアドレスしているイメージです。この形から、9時から3時までの振り幅を意識して体を回しましょう。

 野田 どれぐらい体を回すことが正解なのか分かりにくいですね。

 内藤 そこに振り幅が安定しない理由があるんですよ。振り幅が小さくても腕だけで振ることはありません。あくまでも体を回すことによって腕を振るのが正解です。したがって、9時から3時のスイングをする際、体をどれだけ回転したらいいのか分からなければ振り幅は安定しないんです。

 野田 どうしたらいいんでしょうか?

 内藤 次のドリルが有効です。まずクラブを持たずに、両腕を伸ばした状態でアドレスします。両手が9時から3時の振り幅にくるように体を動かしましょう。次に胸の前で両手を交差した形でアドレスし、先ほどと同じ体の動きを行います。それができたら、クラブを持って9時から3時までの振り幅で素振りを行い、最終的にボールを打ちます。あくまでも、最初に確認した体の運動量を忘れないこと。それを基準として次の動作に移りましょう。30ヤードをきっちり打てるようになったら、先ほどのドリルで10時から2時までの振り幅や8時から4時までの振り幅を試して、何ヤード出るのか確認しておくと、中途半端な距離からでもピンに寄る確率が高くなります。 

 (取材協力=ハイランドセンター)


 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の52歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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