鈴木愛が涙の今季初優勝「こんなに落ちこぼれたんだと感じるのが怖かった」 1年8か月ぶり通算17勝目

[ 2021年7月4日 16:32 ]

女子ゴルフツアー 資生堂レディース最終日 ( 2021年7月4日    神奈川県 戸塚CC=6570ヤード、パー72 )

<資生堂レディスOP・最終日>インタビュー中、目頭を押える鈴木(撮影・村上 大輔)
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 前日から持ち越された第1ラウンド(R)の残りと最終Rが行われ、1打差2位から最終Rをスタートした鈴木愛(27=セールスフォース)が1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で回り、通算10アンダーで今季初優勝を手にした。19年11月以来、約1年8カ月ぶりのツアー通算17勝目。競技は悪天候のため2日連続で第1Rが順延されたため、72ホールから36ホールに短縮されて賞金加算は規定により50%となる。

 1打差の首位で迎えた最終18番。約2メートルのパーパットを沈めた鈴木は、右拳を静かに握った。単独首位でホールアウトすると、クラブハウスで1組後ろを回る最終組の結果を待つ。実に1年8ケ月ぶりの勝利が決まった瞬間、あふれる涙を何度も拭った。

 「何をやってもうまくいかなくて…。優勝争いの時、どういう風にプレーしてたかなと。ゴルフの事を考えると本当に辛かった。自分とトップの選手を比べるのが怖くて、こんなに落ちこぼれたんだなって自分で感じるのが凄く怖かった。周りの方に迷惑をかけて本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、優勝できてちょっとは恩返しできたのかな」

 17、19年に賞金女王に輝いた実力者も、20、21年が統合された今季はここまで勝利なし。「練習してるのに、なんでこんなショットしかできないんだろう。意味ないじゃん」と苦しんだ。それでも練習の虫は「1試合ずつ良くなってきている」と自らに言い聞かせ、決してゴルフに向き合うことから逃げなかった。今年は笠りつ子が5年ぶり、青木瀬令奈と菊地絵理香が4年ぶりの優勝を果たすなど、久しぶりの勝利をつかんだ選手が多い。その姿も鈴木に「私もその流れに乗りたい」と勇気をくれた。

 この日は単独首位に立ちながら、14番でボギーを叩いて後退した。しかし、1打差の2位タイで迎えた終盤16番パー5。第3打を直接沈めてイーグルを奪い、通算10アンダーに伸ばして再び単独首位に立った。最終ラウンドを前に「たぶん誰も期待していないから、裏切って優勝してやろうって思いは強いんですけど、いつもヘマしちゃう。でも、今週は頑張りたい」と宣言していた27歳。女王復活を印象づける大きな1勝となった。

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2021年7月4日のニュース