日本 世界4位アイルランドに惜敗も斎藤&フィフィタ収穫の代表初トライ ジョセフHC「素晴らしい成果」

[ 2021年7月4日 05:30 ]

【ラグビーリポビタンDツアー2021   日本31―39アイルランド ( 2021年7月3日    ダブリン )

フィフィタのトライに喜ぶ日本代表(AP)
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 世界ランキング10位の日本は同4位のアイルランドに31―39で敗れ、19―12で破った19年W杯での対戦に続く連勝を逃した。当初先発予定のNo・8姫野和樹(26=トヨタ自動車)が試合直前の負傷で急きょ変更となるアクシデントに見舞われたが、新戦力のWTBシオサイア・フィフィタ(22=近鉄)、SH斎藤直人(23=サントリー)がともに代表初トライ。23年W杯へ、光も見えた敗戦となった。

 勝機が十分にあった敵地でのシーソーゲームを落としながらも、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は「2年間テストマッチがなかった中で、ティア1としっかり戦えた。今日のようなパフォーマンスを出せたことは素晴らしい成果」と断言した。実りある敗戦。指揮官の満足げな表情を裏付けたのが、斎藤やフィフィタら新戦力の活躍だ。

 1週間前の全英・アイルランド代表ライオンズ戦では、途中出場から質の高いプレーを見せた斎藤は、代表2戦目で先発に昇格。9番でも臆することなく得意のテンポの速い球出しで攻撃をリード。後半17分にはカウンター攻撃に参加して代表初トライも奪い、「味方のチャンスメークに感謝したい。高い強度で2試合できたのはいい経験」と振り返った。

 ライオンズ戦ではミスも目立ったフィフィタは、1試合を経験して見違えるように落ち着いたプレーを披露した。前半36分にはSO田村のキックパスを確実に確保し、CTBラファエレにつなげてトライをアシスト。後半3分には自らトライを奪い、持ち前の強いフィジカルを生かしたプレーも披露。ジョセフHCも「未来が楽しみな選手」と称えた。

 ペナルティーから崩れて、敵地で欧州の強豪を破る初の快挙を逃し、ペナルティー2つ、ダイレクトタッチキック1つを犯した斎藤は「ポジティブには捉えられない。一つのミスから流れが変わり、勝敗を左右することを学べた」と自己評価は厳しい。フィフィタも「もっと頑張らないといけない」と満足せず。この貪欲さこそ、23年への伸びしろだ。

 リーチ主将も「成長したのは学ぶ姿勢。新しい選手が出てきた」と大きくうなずいた敗戦。2年ぶりのテストマッチで示したベンチマークから、秋はさらなる飛躍を見せる。

 《11月ダブリン再戦の見通し》日本代表が11月に敵地ダブリンでアイルランド代表とテストマッチを行う見通しであると3日、アイリッシュ・タイムズ紙(電子版)が伝えた。実現すれば同日の試合から約4カ月後に再戦することになる。日本は19年W杯の1次リーグで同じく破ったスコットランドと、11月20日に英国のエディンバラでテストマッチを行うことが決まっている。

  

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