またフルセット勝ち!錦織は「フルセット王」 2試合連続4時間超えの激闘「体が動いちゃうのが凄い」

[ 2021年6月4日 05:30 ]

テニス全仏オープン第4日   〇錦織 4-6、6-2、2-6、6-4、6-4 ハチャノフ● ( 2021年6月2日    パリ・ローランギャロス )

男子シングルス2回戦でフルセットの末にカレン・ハチャノフを破り拳を握る錦織(ゲッティ=共同)
Photo By ゲッティ=共同

 男子シングルス2回戦で世界ランキング49位の錦織圭(31=日清食品)は第23シードのカレン・ハチャノフ(25=ロシア)に4―6、6―2、2―6、6―4、6―4で逆転勝ちした。2年ぶりに進出した3回戦は、予選から勝ち上がった世界150位のアンリ・ラークソネン(29=スイス)と対戦する。第5日(3日)の男子シングルス2回戦で西岡良仁(25=ミキハウス)はロレンツォ・ムゼッティ(19=イタリア)に5―7、3―6、2―6で敗れ、初の3回戦進出はならなかった。

 最後は意識がもうろうとしていた。4時間3分を要した5月30日の1回戦に続く3時間59分の激戦。中2日で連続フルセットマッチを制した錦織は「体はノーと言っているのに、心はプレーを続けようとした。動きたくないけど体が動いちゃうのが凄い」と限界に近い状態でギアを上げた自分自身に驚いた。

 5セットにもつれた試合は通算26勝7敗。勝率78・7%は現役トップを誇り、男子ツアーを統括するATPから「5セット王」と称される。チャンスがあった第3セットを落として追い込まれ「ぼうぜんとした」が、積極的なサーブ&ボレーも織り交ぜて流れを引き戻した。最終セットはマッチポイントの好機を一発で仕留め「最終セットは他のセットよりもいいテニスができる。より良く、より自由に、より積極的に、受け身にならず」と自己分析した。

 「決勝を目指しているので、大会のいいスタートとは言えない。もう5試合戦った気分」と苦笑しながらも、8強入りした19年以来2年ぶりの3回戦進出。直近4大会は1桁ランクの選手以外には負けていない。右肘手術や右肩故障による低迷を経て「トップ10にはもう少しだし、トップ20以下に確実に勝てるようになっているのはかなり成長」と完全復活へ手応えを口にした。

 ≪うつ告白の大坂へ「早く治して」≫記者会見拒否を巡り大会を棄権した大坂なおみ(23=日清食品)がうつを告白したことを受け、錦織は「アスリートでも一般の人でも、誰にも起きる症状だと思う。早く治してほしい」と回復を願った。「自分もメンタルの先生がついていて、凄く救われた部分はある」と自身の経験を打ち明け「スポーツだからではなく、誰もが必要なこと」と専門家に支えてもらう重要性を説いた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月4日のニュース