アーチェリー中村美樹が初五輪切符 環境のハンデも「頑張り次第でどうにでもなる」

[ 2021年3月21日 20:23 ]

アーチェリー東京五輪代表最終選考会 ( 2021年3月21日    東京・夢の島公園アーチェリー場 )

<東京五輪アーチェリー競技最終選考会>的を狙う中村(撮影・会津 智海)
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 女子は中村美樹(28=ハードオフ)が2位に入り、初の五輪出場を決めた。競技を始めた中学生から目標にしてきたという夢舞台の出場権を射止め、「東京五輪の開催が決まって目指すならここだと思ってやってきたので、素直にうれしい気持ちでいっぱい」と笑みを浮かべた。

 強風に惑わされた前半は「真ん中をずっと狙っていたけどどうしても右に流されてしまって決めきれなかった」と振り返ったが、後半は野崎コーチのアドバイスで狙いを風上に定めることで修正。「気持ちがぶれていれば影響を与える競技なので、早い段階で修正をかけないといけなかった」と反省しつつ、「絶対に心が折れないと思って、それを実行できた」とうなずいた。

 地元の山形県を拠点とし、積雪で練習が困難な冬場は地元企業の工場のスペースを借りて練習を重ねてきた。距離は五輪で採用される種目から10メートル短い60メートルしか確保できないが、的の大きさを半分にするなど工夫。環境のハンデも意に介さず「頑張り次第でどうにでもなる。大変だと思ったことはない」と話し、地元のサポートに「今年は凄く雪が降ったので本当に工場を貸していただいたおかげでここまで調子を上げられたし、五輪を実現できた」と感謝した。

 これまで所属先の店頭に立って仕事をしながら競技に取り組んできた。選考会に向けては練習に専念したものの「限られた時間の中でどういう仕事をしないといけないのかという把握が、(1セット)4分で6本撃つ時の組み立てに似ている」と両立で生かせる部分があるという。そして「気晴らしにもなりますし」と笑顔で続けた。苦労をものともしない強さで手に入れた大舞台の切符。目標を問われた28歳は、物怖じすることなく「初出場だけどしっかりメダルを取りたい」と言い切った。

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2021年3月21日のニュース