千代の国5連勝!三役昇進へトップ1敗守った 部屋でコロナ集団感染…初場所全休から復活

[ 2021年3月21日 05:30 ]

大相撲春場所7日目 ( 2021年3月20日    両国国技館 )

明瀬山(左)を小手投げで破る千代の国(撮影・久冨木 修)
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 平幕の千代の国が明瀬山を小手投げで下し1敗を守った。新型コロナウイルスの集団感染で全休となった初場所は稽古もできなかったが、連日元気な相撲で前半の土俵を沸かせている。大関・朝乃山は霧馬山に敗れ2敗。カド番の貴景勝も3敗目を喫した。大関復帰を目指す関脇・照ノ富士、高安、千代の国の3人が1敗でトップに並び、2敗は朝乃山ら7人。

 内容にこだわるからこそ、厳しい言葉を並べた。連勝を5に伸ばしたというのに取組後は「褒められる内容ではない。精いっぱいやった感じですが、余裕はなかった」。千代の国は自らを鼓舞するように辛口コメントを連発させた。

 大きな明瀬山に攻め込まれながらも、反応の良さで勝利を手にした。一歩間違えればそのまま運ばれていたかもしれない。体が動けているからこその白星。八角理事長(元横綱・北勝海)は「ケガで苦労しているけど、動きがいい。波に乗ると余計に動きが良くなる」と期待を寄せた。

 度重なるケガを克服し6度目の再入幕となった昨年11月場所で10勝をマークした。三役昇進へ勢いをつけて臨んだ初場所は部屋で新型コロナの集団感染が発生し、全休。部屋が隔離され自宅での調整が主体となり、狭いスペースで四股も踏めなかったという。2月5日に稽古を再開したが、体重も力も体力も落ち「相撲取るのが大事だと改めて思いました」と振り返る。それでも部屋が2月中に墨田区から葛飾区へ移転すると、懸命の調整で場所に間に合わせた。

 「旧九重部屋」最後の日となった2月14日、入門時の師匠である先代九重親方(元横綱・千代の富士)の仏前に手を合わせた。感謝の気持ちに加え「三役昇進という目標をかなえられるように頑張っていきます」と伝え、春場所への復帰を誓った。過去に幕内から幕下に陥落して再び幕内復帰を2度も経験する不屈の闘志の持ち主は「一日一番です」と力を込める。困難にも折れない精神力で波乱の場所の主役に躍り出る。

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