妙義龍4戦全勝「花のロクイチ組」の底力 34歳まだまだ元気!

[ 2021年3月18日 05:30 ]

大相撲春場所4日目 ( 2021年3月17日    両国国技館 )

玉鷲(左)を引き落としで破る妙義龍(撮影・久冨木 修)
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 34歳のベテラン、平幕の妙義龍が玉鷲を引き落とし、初日から4連勝とした。角界で「花のロクイチ組」と呼ばれる昭和61年(1986年)生まれの生き残りが優勝争いトップを走り、横綱不在の場所を盛り上げそうだ。全勝は妙義龍と大関復帰を目指す関脇・照ノ富士の2人だけとなった。

 パワフルな突きがある玉鷲に対し、妙義龍は立ち合いで踏み込んだ。これで主導権を握り、相手が慌てて逆襲するところをタイミング良く引き落とし。無傷の4連勝に「好調の要因?分からない。それが分かれば簡単ですけど」と笑った。

 「花のロクイチ組」の横綱・稀勢の里(現荒磯親方)、埼玉栄高時代から切磋琢磨(せっさたくま)した大関・豪栄道(現武隈親方)ら出世を争ったライバルは次々と土俵に別れを告げた。妙義龍は年齢に関する質問が出るたびに「若いつもりでやっている」と言い訳にしない。09年夏場所で幕下付け出しデビューし、翌年に新十両の初場所で左膝前十字じん帯を断裂の大ケガを負った。この経験からケガをしない体づくりに熱心で、鍛え上げたアスリート体形で元気に土俵を務める。

 兵庫県出身。本来なら大阪開催の春場所が今年は東京に場所を移した。母・宮本利枝さんは「残念ですけど、本人のためには良かったのかも」と話す。直接対面をなるべく避けるのが望ましいコロナ下では、筋力トレーニングや体のケアに通うのも難しい。東京なら懇意の施設で思い通りに体を手入れできる。これまで金星6個中5個、技能賞5度中4度を東京開催で獲得しており、国技館と相性がいいのは間違いない。

 本人は優勝争いの話題に「勘弁。やめてください」と時期尚早を主張する一方で「毎場所、違う人が優勝している。一番一番、勝っていかないと」と野望がチラリ。三役を13場所務めた実力者だけに後半戦は上位と対戦が組まれそう。「花のロクイチ組」の底力を示す好機だ。

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