大栄翔 照ノ富士撃破で三役制圧王手「しっかりと攻めることができた」

[ 2021年1月16日 05:30 ]

大相撲初場所6日目 ( 2021年1月15日    両国国技館 )

照ノ富士(右)を激しく攻める大栄翔(撮影・村上 大輔)
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 大栄翔が関脇・照ノ富士を押し出しで破り、明瀬山とともに全勝を守った。3大関と2小結を破っており、三役力士総なめの可能性が出てきた。大関陣はカド番の正代が栃ノ心を押し出して5勝目を挙げたが、朝乃山は宝富士に上手投げで敗れ3勝3敗。5日目に初白星を挙げた貴景勝も阿武咲に押し出され、5敗目を喫した。

 迫力満点の攻めで照ノ富士の巨体を押し出した大栄翔は、大きく息を吐いて勝ち名乗りを受けた。初日から積み上げた連勝は6にまで伸びた。「自分の相撲を120%出せればと思っていたのでよかった。しっかりと攻めることができた」。組まれたら勝機はない相手。がむしゃらに前に出て相手に何もさせない会心の内容だった。

 連日の上位撃破。最大の強みである両腕からの突き押しがさえわたる。昨年秋場所後に、右ひじ遊離軟骨除去手術を受けた。先場所までは不安を抱えていたというが、リハビリと稽古の積み重ねで回復。突っ張りは以前よりも威力を増した印象だ。今場所のテーマは「前に出る」ことと「リズム」。角度のいい当たりから一気に押し切る勝利の方程式を確立させ、「体全体で押せている」と確かな手応えをつかんでいる。

 初日から大関3連破で勢いをつけ、小結にも連勝。そしてこの日は元大関の関脇も撃破した。横綱不在の中、7日目は最後の役力士との対戦となる関脇・隆の勝戦。「また自信になる相撲だった。気持ちよくこの後にいける」と前向きだ。

 役力士を次から次に撃破し、波乱の場所の主役に躍り出た。初優勝の声に「まだ前半なので。一日一番、集中するのみ」と謙虚だが、周囲の評価は高まるばかり。高田川審判長(元関脇・安芸乃島)も「今場所は強いという印象です。ラッキーではない。しっかり力がついている。残りが楽しみです」と優勝候補と位置付けている。自己最多を更新する6連勝。「攻めのリズムが自分の中ではいい。突きが交互にしっかり、右左出ているのと、足も出ている」。好調の要因を的確に説明できる姿がいつになくたくましく見えた。

 ▽三役 大相撲の番付上にある大関、関脇、小結を指す。大関は特別な地位のため、最近では関脇・小結のみを指す場合が多い。

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2021年1月16日のニュース