【玉ノ井親方　視点】大栄翔は足が前に出て、腕が伸びる申し分ない相撲　止められる力士はいるのか

＜初場所・7日目＞隆の勝（右）を押し出す大栄翔（撮影・吉田　剛）
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　大栄翔の勢いが止まらない。隆の勝は最近急速に力をつけている相手だったが、一瞬で仕留めた。立ち合いで当たった後にすぐに下から両手で突き上げ、そのまま一気に押し切った。足が前に出て、腕が伸びる。当たりの強さ、前に出るスピード、どれも申し分ない内容だった。

　先場所は肘の手術の影響で自分の相撲を取りきれなかった。その悔しさを今場所の土俵にぶつけ、中日を前に三役以上を総なめにした。突き押しに徹し、前に出ることだけに集中。相撲に迷いがないから、自信を持って取っているように見える。

　きょう8日目からの相手は平幕。上位より下位力士の方が、負けてもともと変化などの奇襲で揺さぶってくるためやりにくいという見方もあるが、今の大栄翔のスピードなら十分対応できる。逆にいえば、誰がどんな相撲で今場所の大栄翔を止められるか、その方が気になる。（元大関・栃東）