原英莉花、21年は「冒険心」――単独取材で語った賞金女王、米ツアーへの決意

[ 2021年1月2日 10:15 ]

初の賞金女王を目指す決意を明言した原英莉花
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 昨年日本女子プロゴルフツアーでメジャー2連勝を果たした原英莉花(21=日本通運)が本紙の単独取材に応じ、初の賞金女王を目指す決意を語った。新型コロナウイルス感染拡大により、20年と21年シーズンが統合。現在の賞金ランキング3位から、頂点を目指す戦いが幕を開ける。そして、22年の米ツアー参戦を視野に今年の予選会(Qスクール)に挑戦する意向も明言。黄金世代のニューヒロインが、新たな冒険へとその一歩を踏み出す。(取材 黒田 健司郎・中村 文香)

 
 今年へ向けた思いを、原は迷うことなく3文字で表現した。

 「冒険心」

 史上15人目の年間メジャー2冠を果たし、飛躍の一年となった2020年。そして迎えた2021年も、歩みを止めることなく前へと進んでいく。そんな強い決意を込めた言葉だった。

 「日本での賞金女王を目指したい気持ちがある。若いうちにアメリカに行きたい思いもあるので、Qスクールを受けたいなとも。2個の目標があるという感じです」

 新型コロナウイルスの影響で、前代未聞のロングシーズンとなった20~21年。2勝を挙げた昨年を「不思議な年でした」と振り返る。それは持ち味としているショットが、原の感触としては「完成度が低かった」から。その中で昨オフに強化してきたショートゲーム、特にパットを武器にスコアをつくり勝利につなげた。この2勝は、総合力が底上げされた証拠でもある。

 そして、メジャー2勝により獲得した5年間のシード権。かねて目標と公言していた世界最高峰、米ツアー挑戦への環境が整った。「自分の持っているものを、全て出せるうちに行きたい」。今年12月に開催予定のQスクールに出場する意向を初めて明言した。昨年12月に海外メジャー初出場となった全米女子オープンで予選落ちしたことも、原の挑戦意欲をかき立てた。

 「賞金女王」、そして「米ツアー挑戦」。この2つの目標に向けて、今オフはショットの精度を追い求める。「高弾道を打たないといけない。そして、ドローとフェードを打ち分ける技術が必要になる」。フィジカル面では安定したスイングができるよう背筋を強化。その上で、道具もフェースの動きがダイレクトに反映されるクラブを研究する。もちろん「ジャンボさんにも聞きながら」と、ツアー通算94勝を誇る師匠の尾崎将司にも積極的に助言を求めていく。

 アマチュア時代に無名だった21歳は、日本ツアーを代表する選手へと成長した。だが、原の冒険はまだ始まったばかり。「もっと成長した姿を見せたいんです」と、さらなる高みを見据える。

 ≪「パワーの源」全農サポート≫原はスポンサー契約を結ぶ全農から今年も「パワーの源」である食のサポートを受ける。シーズン中に加え、海外遠征でも食事に苦労することなく最高のパフォーマンスが発揮できるように、全農ブランドのおかゆ、全農オリジナル野菜カレー、和風きのこご飯などラインアップも豊富。原は「国内では自宅に届けてもらっています。ありがたいですし、たくさんパワーをつけていきたい」と話した。

 ◆原 英莉花(はら・えりか)1999年(平11)2月15日生まれ、横浜市出身の21歳。10歳からゴルフを始め、湘南学院高1年時に尾崎将司に弟子入り。2度目の挑戦だった18年7月のプロテストで合格。19年リゾートトラスト・レディースでプロ初優勝。20年10月の日本女子オープン、同11月のツアー選手権リコー杯を制して国内メジャー2連勝を飾った。勝負ウエアは白×紺の組み合わせで、好きな食べものは「TKG」(卵かけご飯)。1メートル73、58キロ。

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