世羅 最多更新10度目V 高校陸上界も厚底が席巻

[ 2020年12月21日 05:30 ]

第71回全国高校男子駅伝 ( 2020年12月20日    京都市・たけびしスタジアム京都発着 42.195キロ )

<全国高校駅伝 男子>5年ぶり10回目の優勝で男女アベックVを達成し、ガッツポーズでゴールする世羅7区の塩出(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 世羅(広島)が男女ともに5年ぶりの優勝をアベックで果たした。歴代最多を更新する10度目Vの男子は、ケニア人留学生のコスマス・ムワンギ(2年)が3区区間新の好走で5位から首位に浮上。前評判が高かったメンバーがトップの座を守りきった。

 5年前に見た快挙を、今度は自らかなえた。男子も世羅が制し、5年ぶり最多10度目のV。7区アンカーの塩出翔太(2年)は最後の直線で勝利を確信し右拳を突き上げると、追いすがる仙台育英を振り切った。

 「絶対に譲らない気持ちだった。1位でつないできてくれたので、自分のペースで楽しんで走りました」

 前回15年のアベックVのときも、偶然にも12月20日。姉の日南さん(21)が陸上部員で、都大路は走らなかったが、小学校6年の翔太少年は、両親と弟と応援にこの競技場を訪れた。「小さいときからずっと世羅が強くて、憧れていた」。岩本真弥前監督が胴上げされたシーンは、今でも鮮明によみがえってくる。自分たちの力であの日の光景を“再現”できたことが、何よりうれしかった。

 高校生では5000メートル14分を切れば一流と言われる中、ベストタイムで13分台が4人と充実の戦力で圧倒。「来年は13分台を7人全員そろえて、大会記録を更新したい」。塩出は早くも野望をぶち上げた。

 《“厚底”が席巻》高校駅伝も、ナイキの厚底シューズが大会を席巻した。男子優勝の世羅は、7人全員が使用。アンカーの塩出は「だいぶ違う。履くとパワーになる。前に進む」と効果を口にした。大会を主催する毎日新聞によると、大会前のアンケートで男子の87%、女子の34%が厚底を使用予定と回答したという。

 《京都・洛南 留学生含まない高校新記録で3位》〇…2時間2分7秒で3位に入り、留学生の走者を含まない高校最高新記録を樹立した。従来の08年佐久長聖(長野)の記録を11秒更新した。トラックで倉敷の猛追をかわした溜池は「こんなに上位でたすきが来るとは思わなかった」と驚きを隠さなかった。昨年は11位。前日のミーティングでは8位入賞を掲げていた。5区で区間賞の内藤は「記録に自分たちの名前が残るのはうれしい」。順位は3位でも、留学生なしで打ち立てた絆に、胸のメダルが誇らしげだった。

続きを表示

この記事のフォト

2020年12月21日のニュース