早大・中谷 「大迫魂」で10年ぶり箱根総合V導く 合同キャンプで刺激

[ 2020年12月21日 05:30 ]

キャンプで走り込む大迫(右から3人目)と中谷(同4人目)(SugarEliteInstagramより引用)

 箱根駅伝(来年1月2、3日)で10年ぶりの総合優勝に挑む早大が20日、所沢キャンパスで練習を公開し、中谷雄飛(3年)がエースの自覚をにじませた。8月にマラソンの日本記録を持つ東京五輪代表・大迫傑(29=ナイキ)が主催するキャンプに参加。第一人者から受けた刺激を好記録につなげて自信を深め、3度目の箱根路に向けて心を整えた。

 年明けの晴れ舞台を控え、中谷は「かなり力は付いたと思っている」と手応えを口にした。11月の全日本大学駅伝3区で区間賞に輝き、今月4日の日本選手権1万メートルでは自己ベストを大幅に更新する27分54秒06を記録。3年生となり「エースと呼ばれる機会も多くなった」と自覚と責任感も芽生えた。「だからこそ過去2年より(チームを)引っ張っていかないと」と話した。

 新型コロナウイルスの影響で実業団やケニアで予定していた合宿参加が見送られるなど逆風が続いたが、追い風もあった。東京五輪の男子マラソン代表、大迫が今年8月に所属の垣根を越えて有望な若手を集めた合同キャンプ「Sugar Elite」に参加。超一流の意識に触れた。

 中谷にとっては佐久長聖高、早大の先輩でもあり、大学進学の決め手となった憧れの存在。それまで会話をしたことはなく「拠点の米国で特別なことをして速くなっているのでは」と思い込んでいたという。しかし、寝食を共にして一緒に走る中で感じたのは生活リズムを守って「与えられたメニューをしっかりこなしていく」ことの重要性。日々の取り組みに改めて意識を向けた結果が、秋以降の好記録につながってきた。

 駅伝主将の吉田匠(4年)は中谷ら主軸の成長に「優勝を狙えるんじゃないか、という考えを全員が持つことができるようになった」と明かす。「今年は伸びしろがあってトップで争える可能性を秘めたチーム。チャンスを無駄にしたくない」と中谷。大迫が1区1位で導いた11年以来の総合優勝は、夢ではない。

 ◆中谷 雄飛(なかや・ゆうひ)1999年(平11)6月11日生まれ、長野県諏訪市出身の21歳。下諏訪中―佐久長聖高―早大。佐久長聖高3年時に全国高校駅伝で1区区間賞の活躍で優勝に貢献。箱根駅伝は過去2年いずれも1区を走り、1年時は区間4位、2年時は6位だった。1メートル69、58キロ。

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