大坂なおみ 地に足をつけてファイナルへ「勝とうが負けようが、思い切り」

[ 2020年9月11日 10:57 ]

テニス全米オープン第11日 ( 2020年9月10日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

全米オープン女子シングルス準決勝で強烈なサーブを放つ大坂なおみ(AP)
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 女子シングルス準決勝で世界ランキング9位の第4シード、大坂なおみ(22=日清食品)は同41位の第27シード、ジェニファー・ブレイディ(25=米国)に7―6、3―6、6―3で競り勝った。試合時間は2時間8分。交際中のラッパー、YBNコーデー(23)が応援に駆け付ける前で、優勝した18年以来2年ぶりの決勝進出を決めた。決勝は12日(日本時間13日早朝)に行われる。

 最後は9本目のサービスエースで2時間を超える熱戦に終止符を打った。2年ぶりの決勝進出。大坂は「大きなこと。ニューヨークは第2の故郷のような場所。残念ながら観客はいないが、このコートは大好き。自分が勝とうが負けようが、思い切り試合をする気持ちでやっている」と笑顔を見せた。

 第1セットは両者一歩も譲らずにタイブレークに突入。大坂は安定したストロークで相手のミスを誘い、2度のミニブレークに成功して7―1で制した。第2セットは第8ゲームを両者通じて初のブレークを許して失ったが、最終第3セットは第4ゲームで先にブレークに成功して主導権を握った。ウィナーの数は互いに35本と互角だったが、アンフォースドエラーは相手の25に対して17。準決勝に続き、ミスの少ないプレーが光った。

 入場時には16年にミネソタ州で警官に射殺された黒人男性フィランド・キャスティルさんの名前の入った黒マスクを着用。警官に車の停止を命じられたキャスティルさんは取り調べ中に射殺され、同乗していた恋人が撮影した動画が拡散したことで事件が知られるようになった。大坂は今大会は人種差別への抗議を示すため、決勝までの試合数に合わせて7枚の被害者の名前入りマスクを用意。決勝進出を決め「全てを見てもらいたい」との目標を達成する。

 18年全豪、19年全米に続く、4大大会3勝目まで、あと1勝に迫った。大坂は「今日は相手のサーブにどう対応するかに微調整を続けた試合だった。全豪の決勝を思い出した。あの経験が生きている」と振り返った。19年全豪の決勝では、強烈なサーブを武器とするクビトバ(チェコ)にフルセットの末に撃破している。勢いで頂点に上り詰めた過去2度のグランドスラムとは違い、地に足をつけてファイナルにたどり着いた。

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