大坂なおみ 棄権撤回から決勝進出「ブラック・ライブズ・マター」のTシャツで入場

[ 2020年8月29日 02:18 ]

テニスウエスタン・アンド・サザン・オープン第6日 ( 2020年8月28日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

決勝に進出した大坂なおみ(AP)
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 女子シングルス準決勝で、世界ランキング10位で第4シードの大坂なおみ(22=日清食品)はエリーズ・メルテンス(24=ベルギー)に6―2、7―6で勝利した。黒人男性銃撃事件など人種差別に抗議するために一度は棄権を表明したが、大坂に賛同して27日の試合開催を見送った大会主催者からの出場続行要請を受けて撤回。プレーで抗議の意思を示した。

 緊張の糸は切れていなかった。棄権を撤回し、臨んだ準決勝。大坂は第1セット第2ゲームで先にブレークに成功して主導権を握った。第1セットを6―2で先取。第2セットはタイブレークの末に、粘る相手を振り切った。入場時には、人種差別に抗議するスローガン「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大事だ)」と記されたTシャツを着用。翻意の理由を「より抗議運動への注目を集めることができる」と説明しており、コートでも無言の抗議を続けた。

 SNSで明かしていたように、自ら行動することで注目を集め、人種差別や社会的不公正に対して議論を始めてもらうことがボイコットの目的。大坂の意思表明を受け、男女のツアーを統括するATPとWTA、全米協会が人種差別に抗議するため「問題を認識できるように大会を休止する」と合同で声明を出し、27日の試合開催を見送ったことで効果はあった。その上で届いた大会参加の続行要請。飛躍的に注目度が高まる中、棄権にこだわる理由はなかった。

 結果的に撤回したとはいえ、大胆な行動はテニス界のレジェンドからも称賛を浴びた。女子ツアー創設メンバーの一人で全米オープンの会場名にもなっているビリー・ジーン・キングさん(76)は「勇敢でインパクト十分だった」と指摘。男子で4大大会優勝6回のボリス・ベッカー氏(52)は「人が肌の色で殺されるなんてとんでもない。スポーツや誰が勝ったかなんてことより大きな問題。スタンスを称える」と共感を示した。

 昨年10月の中国オープン以来のツアー制覇まで、あと1勝。全米オープンの前哨戦で頂点に立てば、さらに発信力は増す。

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