ルックスだけじゃない “氷上のこじはる”藤本那菜が持つ実績と謙虚さ

[ 2020年6月11日 08:30 ]

藤本那菜を報じる17年1月18日付けの紙面
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 平昌五輪を翌年に控えた2017年1月17日。アイスホッケー女子日本代表を取材しようと、向かっていた北海道・苫小牧行きの電車で私は悩んでいた。

 壇蜜か、こじはるか――。

 今や日本第一号で22年北京五輪出場を決めた「スマイルジャパン」も、当時の注目度は決して高くはなかった。女子日本代表が2度目の出場となった14年ソチ五輪は5戦全敗。平昌五輪の最終予選に臨むメンバー発表があったその日も、来ていたメディアはわずか3社ほどだった。

 “柱”となる選手が必要だった。元なでしこジャパン主将の澤穂希のように、どの競技にもメディアをけん引する選手がいる。「メディアの露出を増やしたい」という日本アイスホッケー連盟の広報からの相談も受け、ソチ五輪から日本の守護神として活躍していたGK藤本那菜(31)の「愛称」を考えた。

 実績に加え、チーム1の美貌も兼ね備える藤本。元グラビアアイドルの壇蜜や、元AKB48の小嶋陽菜に似ていると言う声も多く、当初は「氷上の壇蜜」というワードも思い浮かべた。ただソチ五輪後に海外挑戦するなど、ひた向きな藤本の言葉に爽やかさを感じ、悩んだ末に「氷上のこじはる」と命名した。

 平昌五輪では初勝利を挙げるなど過去最高の6位。多くのメディアで“氷上のこじはる”と紹介され、藤本の枕言葉として定着した。一方で肝心のプレーより、ルックスばかりに注目が集まってしまい、私自身も罪悪感を感じていた。五輪後にその思いを伝えると、藤本は笑顔でこう返してくれた。

 「アイスホッケーはまだまだマイナーな競技。どんなアプローチの機会でも良いので、見てもらえるのはうれしい。壇蜜さん? そんなに色気はありません(笑い)」
(記者コラム・清藤 駿太)

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