バド混合・渡辺、東野組が五輪切符 福島で中・高時代過ごした2人で誓う「プレーで恩返し」

[ 2020年3月12日 05:30 ]

バドミントン全英オープン戦第1日 ( 2020年3月11日    英バーミンガム )

混合ダブルス1回戦 韓国のペアと対戦する渡辺(手前)、東野組
Photo By 共同

 混合ダブルス1回戦で世界ランキング4位の渡辺勇大、東野有紗組(日本ユニシス)が勝ち、東京五輪出場を確実とした。この日加えたポイントで、今後の国際大会を欠場したとしても、日本勢1番手と出場枠を得られる世界16位以内が確定。22歳の渡辺と23歳の東野は初の五輪代表となる。

 2人にとって感慨深い日となっただろう。福島で中学、高校時代を過ごした混合ダブルスの渡辺、東野組が、東日本大震災から9年となった日に東京五輪切符を手繰り寄せた。

 渡辺が右膝を痛めていたため、2人で試合に出るのは昨年12月以来。久しぶりの実戦で第1ゲームはリードを奪われる展開となったが、18―20とゲームポイントを握られてから逆転。ストレートで勝ち切った。

 震災の記憶は薄らぐことはない。当時、渡辺は富岡一中の1年生で、東野は1学年先輩。体育館での練習中に地震が発生し、慌てて屋外へ飛び出した。渡辺は「忘れるわけがない日。こうしてバドミントンをできているのは当たり前ではない」と言い、東野は「明るいニュースを届けられたら」とプレーでの恩返しを誓った。

 ◇渡辺 勇大(わたなべ・ゆうた)1997年(平9)6月13日生まれ、東京都杉並区出身の22歳。福島・富岡高(現ふたば未来学園)で1学年上の東野と混合ダブルスを組み、18年に全英オープンを初制覇。男子ダブルスでも16年リオ五輪代表の遠藤大由とのペアで世界ランキング上位を維持。日本ユニシス所属。1メートル67、56キロ。

 ◆東野 有紗(ひがしの・ありさ)1996年(平8)8月1日生まれ、北海道岩見沢市出身の23歳。渡辺と組み、19年世界選手権で銅メダルを獲得。17年から全日本総合選手権で3連覇を達成した。日本ユニシス所属。1メートル60、54キロ。

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2020年3月12日のニュース