【玉ノ井親方 視点】右肘手術の後遺症なし!遠藤、正代戦で見せた“考えた相撲”

[ 2020年3月12日 19:55 ]

大相撲春場所5日目 ( 2020年3月12日    エディオンアリーナ )

<大相撲春場所5日目>遠藤は寄り切りで正代(右)を破る(撮影・奥 調)
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 今場所の序盤戦は正代の勢いに注目していた。初日の徳勝龍戦の相撲が力強かったため、先場所に続いて面白い存在になるかもしれないと期待。3日目の黒星は相手の御嶽海の出来が良かったので参考外としても、この日の遠藤戦は少々強引な取口で墓穴を掘った形になった。

 立ち合いの当たりは申し分なかった。ただ、そこから一気に土俵際まで走ったのは不用意だった。遠藤が当たった後に下がる感じになったので、そのまま前のめりに出ていってしまったのかもしれないが、脇が空いて、相手に付け入るスキを与えてしまった。いつもなら、左を差して右も差すような形で出ていくのに、逆に遠藤に右を差され、左も巻き替えされて、最後はもろ差しを許して土俵を割った。

 正代にとっては悔いの残る一番。ただ、見方を変えれば遠藤がそれだけ考えた相撲を取ったともいえる。遠藤は先場所、2横綱1大関を倒し9勝を挙げ初の殊勲賞を獲得した。場所後に右ヒジの手術を受けたものの、今場所はその後遺症を感じさせない相撲を取っている。あす6日目から中盤戦。休場明けの両横綱が調子を上げ、優勝経験者の御嶽海、朝乃山の実力者2人も好調だ。上位との対戦はこれからだが、左四つの自分の形を持っているのは強み。ここからどんな相撲を見せてくれるか注目したい。(元大関・栃東)

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2020年3月12日のニュース