岩出玲亜は験担ぎの春カラーネイルとウナギで勝負 8日号砲名古屋ウィメンズマラソン

[ 2020年3月7日 15:23 ]

岩出玲亜は勝負カラーのピンクのネイルで名古屋ウィメンズマラソンに臨む
Photo By スポニチ

 女子マラソンの東京五輪代表選考レース最終戦・名古屋ウィメンズマラソンに出場する岩出玲亜(25=アンダーアーマー)が7日午前、名古屋市内で調整をした。

 昨年は5位に入り、自己記録の2時間23分52秒をマークした。念願の「日本人トップ」をつかんだその験担ぎとして、再び爪の色を薄いピンクにして走る。「去年は自分の中で勝利を得たので」。春カラーのネイルのほかにも、もう一つ験担ぎをする。「夜ごはんにウナギを予約しました」。昨年もレース前夜にひつまぶしを堪能した。今年もご当地グルメをエネルギーに変えて、五輪代表最後の1枠に臨む。

 1月の大阪国際女子で優勝した松田瑞生の2時間21分47秒を突破し、日本人最上位になることが代表の条件になる。

 五輪代表2人が決まった昨年9月のMGCは、完走した選手の中で最下位(9位)だった。「落ち込んだし、精神的にきつかった」という言葉は偽らざる本音。雪辱すべく、安藤友香が持つ日本歴代4位の2時間21分36秒をターゲットにして練習を積んできた。6年連続の出場で、コースは知り尽くしている。福士、安藤、一山のワコール勢と激しい争いを繰り広げそうだ。

 才色兼備のランナーは、前日6日の会見で輝きを放っていた。状態や意気込みを聞かれた最初の質問で、周囲への感謝を口にした。

 「まず、このような大変な時期に、いろんな大会が自粛する中で開催をしていただき、ありがとうございます。半年かけて一生懸命練習をしてきた。開催されることがうれしく思います」

 スポンサーや関係各所への配慮が不可欠なプロ選手らしい発言だが、以前は「自分自身しか見えていなかった」と打ち明ける。「プロになって視野が広くなりました」。企業の社員として走る実業団選手と違い、誰かの支援や支えなしに競技生活は成り立たない。それを実感しているからこそ、会見ではこんな言葉も口にした。

 「五輪に行きたい気持ちも強いけど、日本自体がこういう元気がない時だから、岩出の走りを見てがんばろうと思ってもらいたい。元気がなかったけど、元気が出たという言葉を聞けるのがうれしい。それが今の私には大きい」

 身近に応援してくれる人を勇気付ける走りをする――。その先に、夢に見続ける五輪切符が待っている。

 レースは8日午前9時10分スタート。ナゴヤドーム発着。

続きを表示

2020年3月7日のニュース