ウィザーズ八村VSグリズリーズ渡辺 歴史的1分9秒 NBA史上初日本人対決

[ 2019年12月16日 05:30 ]

<グリズリーズ・ウィザーズ>途中出場したグリズリーズの渡辺(右)と競り合うウィザーズの八村。NBAで初めて日本人対決が実現した(USA TODAY)
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 NBAで初の日本人対決が実現した。ウィザーズの八村塁(21)とグリズリーズの渡辺雄太(25)が14日、テネシー州メンフィスで対戦し、八村が先発、渡辺が途中出場した。第2クオーター(Q)には2人そろって1分9秒間コートにも立った。東京五輪での活躍が期待される男子日本代表の主力が夢の舞台で顔を合わせ、日本バスケットボール界に新たな歴史を刻んだ。

 歴史的瞬間が訪れたのは第2Qだった。残り10分13秒でグリズリーズの渡辺がこの日初めてコートに立った。およそ2分半後、第1Q終盤にベンチに下がっていた八村が戻った。そろって出場したのは1分9秒だけだったが、八村は「本当に歴史になる大きなことなので良かった」と強調し、渡辺は「本当に素晴らしい経験ができた」とかみしめた。

 2人がマッチアップする場面もあった。ボールを受けた八村に対し、マークする選手を受け渡す流れの中で渡辺がついた。八村が放った得意のジャンプシュートは、リングを外れた。

 この試合はホームのグリズリーズが日本人ファンに向けた販売促進の一環として、カタカナのチーム名が入った帽子の付いたチケットが販売され、プログラムの表紙を渡辺と八村が飾った。2人は試合後はお互いのジャージーを交換し、健闘を称え合った。

 今年日本人初のドラフト1巡目指名を受けた八村と下部チームに所属しながら一定期間NBAに出場が可能なツーウエー契約を昨季から結ぶ渡辺。ともに日本の高校を卒業後に渡米し、米国の大学を経てNBAにデビューしたが、置かれる立場は大きく異なる。開幕から全試合に先発する八村は10得点にとどまり、チームは完敗。「相手にやりたい放題やられてしまった」と主力として反省を忘れなかった。NBAでのプレー期間が限定される契約の渡辺は無得点とアピールできず「一切満足していない」と悔しさを隠さなかった。

 次回は来年2月9日にウィザーズの本拠地で対戦する。八村は「次に当たるときは倒したい」と闘志を燃やし、渡辺は「もっともっとコートに立って彼とやっていけたら」と成長を誓っていた。

 【主な海外日本人初対決】
 ☆サッカー欧州主要リーグ 西ドイツ(現ドイツ)ブンデスリーガで1983年11月5日、ブレーメンDF奥寺康彦とビーレフェルトFW尾崎加寿夫がともに先発出場し対戦。ビーレフェルトが2―0で勝利した。
 ☆メジャーリーグ 99年5月7日、ヤンキース・伊良部秀輝とマリナーズ・鈴木誠がともに先発で投げ合い。伊良部が7回1失点で勝利、鈴木は5回1/3を7失点で敗戦投手となった。投手と野手では2001年4月13日、エンゼルス・長谷川滋利とマリナーズ・イチローが対戦。遊撃内野安打でイチローに軍配が上がった。

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