【岡崎真の目】紀平の4回転ジャンプ「完成度はかなり高い」 打倒ロシア勢の「チャンスは十分」

[ 2019年12月9日 08:00 ]

フィギュアスケート GPファイナル最終日

女子フリーで4位に終わった紀平(撮影・長久保 豊)
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 紀平の4回転ジャンプは、彼女にしては回転速度が若干遅いように見えた。そのため着氷動作をしてから降りてくる余裕がなく、回りきったところが着氷みたいな感じになってしまった。練習ではもっといいジャンプをしているし、今回も転倒したとはいえ回転不足ではなく4回転サルコーの認定をもらえているので、完成度はかなり高いところまで来ているとみていい。まずはプログラムの中で1本きちんと跳べるようになれば4回転の回数を増やすことも可能なので、さらに習熟度を高めてほしい。

 素晴らしかったのはその後で崩れなかったことだ。大技を投入するとそこに集中しすぎてしまい、成功しようが失敗しようがその後の調和が乱れることがよくある。しかし紀平はトリプルアクセルを2本とも着氷し、スピンの取りこぼしもきちんと修正するなど、切り替えてまとめる力がついていることを証明した。ライバルのロシア勢は三者三様で勢いがあるが、紀平にも割って入るチャンスは十分あるはずだ。

 ジュニアで優勝した佐藤も素晴らしい演技だった。今回は4回転が2種類だったが、練習で4種類は跳んでいると聞いている。シニアの全日本でどんな演技をするのか、楽しみが増えた。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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