羽生 打倒チェンへ闘志 「王様のジャンプ」4回転半に挑む「ここからはい上がっていかないと」

[ 2019年12月9日 05:30 ]

25歳の誕生ケーキのロウソクを吹き消す羽生(撮影・長久保 豊)
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 フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル男子で2位に終わった羽生結弦(25=ANA)が8日、エキシビションが行われた会場で取材に応じた。優勝したネーサン・チェン(20=米国)との再戦が見込まれる来年3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)で、前人未到の大技4回転半(クワッドアクセル)投入に意欲を見せた。 

 やられたままでは終わらない。どんなにライバルに差をつけられようが、羽生は勝利への糸口を考えていた。チェンとの再戦は来年3月の世界選手権となる可能性が高い。シーズン終盤のビッグイベントで4回転半を投入するプランはあるか?「はい、頑張ります。そのつもりで」とうなずいた。

 形勢逆転への切り札だ。「自分にとって4回転アクセルは、王様のジャンプだと思う」。基礎点12・50は現在、国際スケート連盟で設定されている中では最高点のジャンプ。前人未到の大技を携え、リベンジに備える。ただでさえ、フリーは難関プログラムの「Origin」。4回転半というカードを増やし、究極の舞を目指す。

 大技と表現力の両立も必要となる。フリーを終えた夜、羽生は宿舎で自戒した。「つなぎや音楽、表現を感じてスケートしないと。スケートやっていて、ふに落ちない」。ジャンプ大会ではない。だが、高難度のジャンプが試合の行方に大きく関わってくるのは事実。だからこそ、大技が必要だと再確認した。「それをやった上で、フィギュアスケーターとして完成させられるものにしたい」。五輪連覇の男のプライドだった。

 今回、試合会場で初めて4回転半に挑戦した。3度全て転倒するなど、完成度は高くない。それでも、新たなチャレンジを決断したのは、尊敬するプルシェンコが優勝し、夢を持つきっかけを与えられた06年トリノ五輪の会場だったから。「ここで何か爪痕を残したい」。弱気だった自分を奮い立たせ、跳んだことが今後の糧になる。「ここの舞台がきっかけで五輪で優勝できた。全てがつながっている。跳べはしなかったが、ここがまた、自分にとってのきっかけの地になった」と前を向いた。

 7日に誕生日を迎え、25歳の初戦を終えた。こみ上げてくる思いは、勝利への渇望だ。「やっぱり勝ちたい。ここからはい上がっていかないと」。王座奪還への歩みが始まった。

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