データで見る八村の第20戦 「6階級上」のエンビードと張り合った重量感

[ 2019年12月6日 12:25 ]

ドリブルで突破を図るウィザーズの八村(AP)
Photo By AP

 ウィザーズの八村塁(21)は3日のマジック戦ではセンターとして先発したが、76ers戦では本来「5番」を務めるモーリッツ・ワグナー(22)が3試合ぶりに復帰したため、「4番」のパワーフォワードとして先発した。さらにアキレス腱の故障からベテランのセンター、イアン・マヒンミ(33)が復帰したために第2Qの中盤まではほぼ今まで通りの役割分担だった。

 ただしリーグ屈指のセンターでもある76ersのジョエル・エンビード(25)を抑えるだけの駒はそろっておらず、ウィザーズはダブルチームで応戦。そして第2Qの終盤から第4Qにかけて、3点シュートをも放つことができる76ersの「ストレッチ5」を八村がマークする場面が増えた。

 203センチ、104キロの八村に対し、エンビードは213センチ、127キロ。実際には129キロを超えていると言われており、ウィザーズのルーキーとの体重差は23~25キロ、あるいはそれ以上だった。

 エンビードはウィザーズ戦で26得点と21リバウンドを記録したが、フィールドゴール(FG)の試投数は12。今季平均は15・9回なので、競り合いになった試合にもかかわらず4回も少なかった。しかもシュートの前に相手に攻撃権を渡してしまうターンオーバーはチーム最多の8回。リーグ最多失点(122・9)を記録していたウィザーズは76ers戦での前半で今季チーム最少の55点しか許さなかったが、それは相手のエースを八村を含めた全員で封じ込めようとした成果だった。

 日本人で平均的体格の私をウィザーズの背番号8にたとえてみる。体重はプロボクシングのスーパーライト級のリミットとなる63・50キロ。でも私には自分より23~25キロも体重が多いボクサーとパンチを交えるイメージが湧いてこない。そのクラスはクルーザー級(90・72キロ以下)であり、ボクシングの世界ではなんと「6階級」も上の選手。パンチをかわすのも嫌だし、押すのも引くのも御免だ。

 今季のNBAの最重量選手はマーベリクスのセンターで224センチのボバン・マリヤノビッチ(31)の132キロだが、アウトサイドからシュートを打つ「ストレッチ5」ではない。エンビードは3点シュートを打てるし、自陣でのリバウンドから最後のシュートまで1人でオフェンスを完結できる「コースト・トゥ・コースト」さえもやってのける能力がある。そこに加わっているのが127キロとも129キロとも言われている体重なのだが、そこに果敢に立ち向かって守りきっただけでなく、エンビードを上回る27得点をたたきだした八村の“重量感”は彼の体重だけでは示せないものだった。

 ちなみにスポーツ専門サイトの「ザ・スポーツスター」によれば、NBAの歴代選手の中で最重量だったのは、1992年からサンズなど6チームで9シーズン、プレーしたオリバー・ミラーのピーク時の170キロ。もはや角界級?の体重だが、もしミラーがコートにいてもきょうのウィザーズは抑え込んだと思う。今季初めて見せたビッグマンへのダブルチームを含めた粘着ディフェンス。それは八村というルーキーがいたからこその“奥の手”だったように見えた。(高柳 昌弥)

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「NBA」特集記事

2019年12月6日のニュース