鈴木愛、米ツアーでも十分通用 ここぞで際立つショットの正確性と集中力

[ 2019年11月11日 08:00 ]

女子ゴルフツアー TOTOジャパンクラシック最終日 ( 2019年11月10日    滋賀県・瀬田GC北C=6659ヤード、パー72 )

14番でティーショットを放つ鈴木愛(撮影・井垣 忠夫)
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 【東京五輪女子コーチ 服部道子Check<5>鈴木愛】最終日は改めて、鈴木愛選手の勝負強さを見させてもらいました。2位に3打差をつけてのスタートだったので、彼女の中では立ち上がりで先に崩れなければ、という気持ちだったと思います。そういう意味で5番からの3連続バーディーは、勝負の流れを決定づける重要なプレーだったと思います。

 彼女はパットのうまさに定評がありますが、ここぞという場面でのショットも際立っています。最終日はピンの位置がグリーンの左右に振られ、狭いエリアに落とさないとチャンスが広がらない。でも、鈴木さんは正確にそこに打っていける技術と集中力が大事な場面ほどかみ合う。

 スイングはテークバックで体重を大きく乗せながら少しインサイドに引いて、切り返しからダウンでオンプレーンに戻ってくる逆ループ。体の動きが許容範囲を超えるとミスの幅が広がるかもしれませんが股関節の中でしっかりウエートシフトができているのでボールに体重が乗る。また、クラブが上からおりてくるのでボールも高く上がり狙ったところに落としやすくなります。その象徴的なショットが2番で決めた1メートルと5番の1・5メートルのバーディーパットにつながったと思います。

 この優勝で来季の米ツアーの出場資格を獲得しました。彼女なら向こうでも十分通用するし、ぜひそういう姿も見てみたい。20年東京五輪代表も同じ国の選手が世界ランク15位以内に入れば、最大で4人まで出場できます。いい意味で選手同士が刺激し合って頑張ってくれたら最高です。(プロゴルファー)=終わり=

 ◆鈴木 愛(すずき・あい)1994年(平6)5月9日生まれ、徳島県出身の25歳。宮里藍に憧れ小学5年でゴルフを始めた。倉吉北高を経て13年のプロテストに合格。14年に日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯を大会史上最年少の20歳128日で制し、ツアー初優勝を飾った。17年に初の賞金女王に輝く。ツアー通算15勝。1メートル55。

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2019年11月11日のニュース