【玉ノ井親方 視点】白鵬黒星は相撲勘の問題? 大栄翔は力つけた

[ 2019年11月11日 19:05 ]

大相撲九州場所2日目 ( 2019年11月11日    福岡国際センター )

<大相撲九州場所2日目>大栄翔に押し出しで敗れた白鵬(左)(撮影・中村達也)
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 休場明けの白鵬はまだ、相撲勘が戻っていないようだ。かち上げ気味に当たっていったが、大栄翔にいい角度で頭から当たってこられて、引くような形になり、そのままあっさり押し切られてしまった。

 踏み込んではいたが、その後の体勢が高かった。押し相撲の大栄翔にすれば横綱は胸から当たってくるので、押しやすいというのもあっただろう。でも、調子がいい時の白鵬ならならそんなに簡単に押されることはなかったはず。やはり、いつもとは少し様子が違っていたのだろう。ただ、衰えというような事ではない。まだ、序盤だから、これから徐々に体も動いてくるはずだ。

 一方の大栄翔はかなり力をつけてきた印象だ。立ち合いの当たりに威力があり、前に出る馬力もある。当たってから手が伸びるので、圧力も増す。特に、相手の上体が浮いてしまうほど、右がいい感じで伸びる。稽古熱心で、巡業でもいろいろなタイプの力士と稽古を重ねている。埼玉栄高の後輩・貴景勝が先に大関になり、早く追いつきたいと、いい刺激になっているのではないか。

 真っ向勝負で思い切りのいい相撲を取るところも好感が持てる。今場所、楽しみな力士の1人だ。(元大関・栃東)

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2019年11月11日のニュース