鈴木愛 米ツアー初制覇!渋野抜き賞金ランク2位 2年ぶり女王射程!

[ 2019年11月11日 05:30 ]

女子ゴルフツアー TOTOジャパンクラシック最終日 ( 2019年11月10日    滋賀県・瀬田GC北C=6659ヤード、パー72 )

18番、ウイニングパットをバーディーで飾り、満面の笑みで拳を突き上げる鈴木愛(撮影・井垣 忠夫)
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 首位から出た鈴木愛(25=セールスフォース)がボギーなしの5バーディー、67をマークし、通算17アンダーで米ツアー初優勝を果たした。先週の樋口久子・三菱電機レディースに続く2週連続の完全優勝は、2015年のイ・ボミ、18年の申ジエに次ぐ3人目。優勝賞金22万5000ドル(2475万円)を加え、賞金ランクでも渋野日向子(20=RSK山陽放送)を抜いて2位に浮上。2年ぶりの賞金女王奪還を目指し、残り3戦に臨む。

 まだ折り返し地点にも達していないのに、優勝を確信したかのようにとびっきりの笑顔を披露した。連続バーディーで迎えた7番。ピンまで残り127ヤード地点から9Iで放った鈴木の一打は、ピン横80センチにぴたりとついた。グリーンに向かう途中で「愛ちゃん頑張って」の掛け声が飛ぶ。鈴木は左手を上げて応える余裕をみせた。

 昨晩は不安に襲われたというが「コースに入ったら落ち着いていて、思ったより冷静に回れた」と振り返る。7番で16アンダーまで伸ばし後続を5差と突き放す。18番ではピン奥1メートルに寄せ、バーディー締め。優勝へのノルマと自らに課した1日5アンダーに最後で到達した。「本当に夢みたい。15勝の中でも一、二を争う印象に残る試合。凄く意味を持つ一勝です」と初の米ツアー勝利をかみしめた。

 9月に左親指を痛め、4試合を欠場。「何も考えたくなくゴルフが嫌になった」と落ち込んだ。そこでゴルフを見ない、聞かない、話さないと、関わりをシャットアウトした。「楽になった感じがする。できないことは欲張らないと思うようになった」と心身ともにリセット。ケガの功名で新境地を開いた。

 5月のパナソニック・レディースから、ヤーデージブックのカバーには大きな「日の丸」を刻んだ。「日本を代表する、そんな思いですかね」。昨年の畑岡に次ぐ日本人V。日本ツアーメンバーの優勝は07年上田桃子以来、12年ぶりだ。「日本人も強くなったことを見せつけられた。若い子にも負けたくないし日本ツアーのレベルアップをしたい」と誇らしげに胸を張った。

 ポイントの高い米ツアーの試合で優勝。全米女子ゴルフ協会の関係者は「11日発表の世界ランクで20位以内には入ってくる」と予測する。東京五輪への道も大きく開けたが「今は賞金女王の方がなりたい」と目先の目標を優先する。「先週より可能性が高くなった。あと1勝すればチャンスはあるかな」。1位の申ジエとは約685万円差。残りは3戦。一度は諦めかけていた女王の座へ、猛チャージをかける。

 ▽東京五輪出場資格 16年リオ五輪の選考方法を踏襲。女子は18年7月8日から20年6月29日時点までの2年間で算出する世界ランキングに基づいた五輪ランキングで出場資格が決定される。男女ともに上位60人が出場資格を獲得。上位15位以内は各国最大4人まで、16位以降は各国最大2名を上限としている。

《愛の主な記録》
 ☆2週連続完全V 1988年のツアー制度施行後、2015年のイ・ボミ(ニトリ・レディース→ゴルフ5レディース)、2018年の申ジエ(ゴルフ5レディース→日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯)に次ぐ3人目。
 ☆年間6勝 2015年にイ・ボミが7勝して以来。年間6勝以上は8人目。年間最多は10勝の不動裕理(03年)。
 ☆今大会の日本勢優勝 昨年の畑岡奈紗に次いで10人目。上田桃子が07年と11年の2勝している。

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