稲垣、アイルランドとの舌戦にケリ「攻めるように組む」そして黙らせる!

[ 2019年9月28日 05:30 ]

ラグビーW杯1次リーグA組   日本―アイルランド ( 2019年9月28日    エコパ )

ダッシュをする稲垣(撮影・篠原 岳夫)
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 場外戦が勃発していたスクラム論争に、白黒をつける時がやってきた。プロップ稲垣が眼光鋭く言い放った。

 「ペナルティーを狙ってくる。そうさせない組み方が大事。アグレッシブに、攻めるように組む必要がある」

 FW先発8人の平均体重は日本が109・8キロ、アイルランドが111・8キロで大きな差はない。しかし、相手は世界1、2の「塊」として知られる。初戦でスコットランドを粉砕した猛プッシュに屈して反則を取られることが、悪夢のシナリオの始まり。そこからキックで自陣に入られ、モール攻撃の餌食になってしまう。負の連鎖は入り口で止めることが大事だと、リーダーの一人は力説した。

 さて、どうすれば対抗できるのか?
 「言えることは少ない。細かいところをこだわってきた」
 ラグビーを語らせれば代表一のスポークスマンが珍しく控えめだった。決戦前日ゆえの緊張感よりも、騒動の影響を感じさせた。

 発端は木津の一言だった。24日に「横から攻めてくる」と悪意なく発言。これがアイルランドメディアの集中砲火を浴び「木津が反則スクラムだと批判」と現地で大きく報じられた。海の向こうでは、騒ぎが尾を引いた。この日、NECでも指導するアイルランドのフィーク・コーチに質問が飛ぶほどだった。

 エコパスタジアムでの最終調整は、先発メンバーでスクラムを組んだ。稲垣は「芝がめちゃくちゃいい。滑る感触はない」と自信をのぞかせた。満員の5万人近い声援は、後押しになる。互角に渡り合えば、相手メディアも黙るはずだ。



《“舌戦”経過》
 ▽24日 控えプロップ木津が会見に臨む。アイルランドのスクラムの印象を「1番がステップアウト気味に、横から攻めてくる。そういう押し方をしてくるチーム」と発言。
 ▽24日 木津の会見には海外メディアも押し寄せており、アイルランド公共局であるRTEなど複数メディアがすぐに反応。「日本がアイルランドの反則スクラムを非難」などと一斉に報じた。
 ▽26日 アイルランドのシュミット・ヘッドコーチが会見。自チームのスクラムについて「相手の強いところに力が抜けないようにしたい」と反則でないと主張。
 ▽26日 日本のジョセフHCが会見し、木津の発言について質問が飛ぶ。「若手で会見の経験がなかった」と非難の意図がないと説明。「強敵と戦う時はジャパンのセットプレーを狙ってくると自覚している」と話した。

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