日本、10番勝負“総決算”の南ア戦 世界の列強「ティア1」ラスボス相手にスピード勝負

[ 2019年9月6日 05:30 ]

リポビタンDチャレンジカップ2019   日本―南アフリカ ( 2019年9月6日    熊谷 )

報道陣に15分だけ公開された練習で熱のこもった動きを見せる(左から)ヘル、茂野、トゥポウ、リーチ、田村、松島(撮影・吉田 剛)
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 ラグビー日本代表が6日に南アフリカと埼玉県・熊谷ラグビー場で対戦する。チームは5日、会場で練習。報道陣に冒頭の15分が公開された。W杯の壮行試合は、世界の列強「ティア1」との強化試合を続けてきた4年間の取り組みの締めくくりとなる。パワー軍団にスピードで対抗し、本大会へ勢いをつける。

 南アフリカ戦は、総仕上げの場になる。日本代表はこの4年で、「ティア1」と呼ばれる世界の列強10チームと次々対戦してきた。残すはスプリングボクス(南アフリカの愛称)のみ。リーチ主将が「ティア1相手にどれだけできるかが、今後の2週間に影響する」と前日に語ったように重要な一戦なのだ。

 ラグビー界には、世界ランキングとは別に階級が存在する。国際試合は同じ階級で組むことが多く、「ティア2」の日本は「ティア1」との対戦が限られてきた。南アとの対戦は、歴史的金星を挙げた15年W杯の1度しかない。19年自国開催が決まったことで、ワールドラグビー(WR)の支援を受け、格上「ティア1」との強化試合が実現してきた。

 対戦成績は1勝10敗1分け。ラストを飾るW杯2度優勝の南アはデカくて強い世界一のパワー軍団で、“ラスボス”と呼ぶにふさわしい強豪だ。この日のジャパンは、ハイパントを捕ってから素早く展開する形を見せた。

 ラインアウトでクイックスローを使うなど、スピーディーな展開に持ち込んで、巨人軍団のスタミナを奪うのも狙いの一つ。戦略家のブラウン・アタックコーチは「やりたいゲームができれば満足いく結果になる。我々より大きい選手ばかり。スピードに特化していくことになる」と、速さをカギに挙げた。

 W杯1次リーグでも「ティア1」と対戦する。この試合は、強豪アイルランド、スコットランド戦への試金石になるだけではなく、もう一つ重要な意味を含んでいる。WRの支援が外れる19年以降、列強と国際試合をどれだけ組めるか不透明。ここでのアピールが不可欠だ。W杯だけでなく、日本ラグビーの未来のためにも、内容が求められる一戦になる。

 ▽ティア1 ティアは「階層」を意味する言葉で、ラグビーにおけるティア1はニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの南半球4カ国と、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、フランス、イタリアの欧州6カ国を指す。試合結果で変動する世界ランキングとは直接の関連性はないが、マッチメークやW杯の日程面などで国際統括団体ワールドラグビーから優遇されていると言われる。日本やフィジーはティア2に属する。

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