田村&松田、DGで世界打ち抜く ジャパン未開の“飛び道具”で局面打開

[ 2019年8月22日 05:30 ]

キックする田村(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 新たな「武器」を手に入れる。ラグビー日本代表は21日、網走合宿3日目を迎え、前後半2部構成の実戦形式練習を行った。前後半の最後には、SO田村優(30=キヤノン)と松田力也(25=パナソニック)がそれぞれドロップゴール(DG)を狙う場面を設定。日本代表では12年11月のジョージア戦でSO小野晃征が決めたのが最後のDGだが、開幕1カ月を切ったW杯に向け、チーム一体で未開の得点源を開拓する。

 高々と蹴り上げられたボールの軌道に、選手はまるで子供のように一喜一憂した。前半で蹴った松田のDGは外れ、後半の田村は見事にゴールポストの中央を射貫いた。全体練習後は2人で居残り、先輩の田村が松田に技術を叩き込んだ。

 全体練習でDGを想定したのは、6月の宮崎合宿以降では初のケースとみられる。主将のリーチ(東芝)は「準備しておかないといけない」と説明。日本代表では7年間記録されておらず、昨季のトップリーグでもリーグ戦56試合で田村の1本を含めてわずか2本が記録されたのみ。日本のプレーヤーが得意ではないDGだけに、W杯をにらんで早急に準備する必要がある。

 SH流(サントリー)によると場面設定は「ノータイム(40分すぎ)のスクラムが来た時」で、3点で勝ち越しが可能な状況を想定した。そのためスクラム前には全員が円陣で意思統一。WTBレメキ(ホンダ)も「スクラムからのファーストキャリーで(対面となる相手の)10番を狙う。前に出られなくても、ボールを早く出す。スペースとウオール(壁)をつくる」と説明。成功率を高めるためには、キッカーを相手ディフェンスの脅威から守る必要があり、他の14人の働きも重要だ。

 託される側の松田も「全てはW杯のため。ああいう場面は必ず来るので本番で決められるように準備したい」と表情を引き締めた。15年W杯の南アフリカ戦。終了間際にFW勢に耳打ちしてDGの選択肢があることを伝えた田村にとっても、本番で決められるかどうかは未知数。相手に存在をちらつかせるだけでもオフサイドなどの反則を引き出す力を秘める“飛び道具”を、残り4週間かけて完成させる。 

 ▽ドロップゴール インプレー中にワンバウンドさせてから蹴ったボールをゴールポストの間を通過させる得点方法で、3点が与えられる。日本代表では12年11月17日のジョージア戦で、同点の後半ロスタイムにSO小野が決めて試合終了。劇的な“サヨナラDG”となった。W杯では87年のオーストラリア戦で沖土居稔、91年のスコットランド戦で細川隆弘、03年のフィジー戦でアンドリュー・ミラーが成功させたが、それ以降は記録されていない。03年W杯決勝では同点の延長戦でイングランドのSOウィルキンソンが利き足とは逆の右足でDGに成功し、オーストラリアを破り初優勝を果たした場面が有名。

続きを表示

「渋野日向子」特集記事

「ラグビーワールドカップ2019日本大会」特集記事

2019年8月22日のニュース