姫野 猛突進25歳バースデーT 日本代表No.1怪力男ダテじゃない!

[ 2019年7月28日 05:30 ]

リポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンド第1戦   日本代表34―21フィジー代表 ( 2019年7月27日    釜石鵜住居 )

<日本代表・フィジー代表>前半、タックルを受けながらもトライを決める姫野(左下)=撮影・久冨木 修
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 チーム一の怪力の看板はダテではない。フランカー姫野和樹(25=トヨタ自動車)は前半31分、ゴール前のラインアウトからのモールが止まるやいなや、素早く近場を突いた。2人に抱えられながら、力づくでインゴールに押さえた。

 「前が空いていたし、(前方の守備が)10番だったから(体格的に)勝てると思った」

 パワーと冷静さで奪ったトライの後、GKも決まって29―7と差を広げた。タックルを受けた後、再び起き上がって突進する得意プレーでもチャンスをつくった。後半序盤にはビデオ判定に泣いた幻のトライもあった。1メートル90台が並ぶフィジーに全く当たり負けしない。うだる暑さでうちわが揺れるスタンドを、何度も沸かせた。

 1メートル87、108キロの巨漢は、中学から怪童で有名だった。3年時に、腕相撲で空手経験者の教師を病院送りにしたほどだ。力を入れた拍子に「先生の腕がぶらんぶらんになった」と右肘じん帯損傷を負わせ、周囲を驚かせた。日本代表になった今、ベンチプレス170キロを持ち上げる。リーチ主将が「姫野にはかなわない」と認める力自慢なのだ。

 この日は、25歳の誕生日だった。勝利後のロッカールーム。ビールで、仲間から祝福を受けた。記念の一日にトライと勝利。「持っている男?」と報道陣に聞かれたが、「ありがたいですが、チームのみんなのおかげ」と謙虚な姿勢を崩さなかった。入社1年目でトヨタ自動車の主将を務めた“いい男”は、海外勢にも力勝負を挑める頼れる存在でもある。

 ◆姫野 和樹(ひめの・かずき)1994年(平6)7月27日生まれ、名古屋市出身の25歳。春日丘高(現中部大春日丘)3年で、“飛び級”で20歳以下の日本代表に選ばれた逸材。帝京大を経てトヨタ自動車へ。好物はうな丼。日本代表10キャップ。

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2019年7月28日のニュース