単独首位に立った平幕・朝乃山 阿武松審判部長の珍説明で場内どよめくも動揺せず「2桁は一つの目標」

[ 2019年5月22日 18:45 ]

大相撲夏場所11日目 ( 2019年5月22日    両国国技館 )

<大相撲夏場所11日目>朝乃山と佐田の海の取組で物言いが付き阿武松審判長が審議の結果を説明するが場内がざわめく(撮影・西海健太郎)
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 優勝争いのトップを走る朝乃山と佐田の海の一番で、阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)がまた珍説明を行い会場をどよめかせた。

 朝乃山は立ち合いから当たって一気に土俵まで走った。すぐに行事軍配が上がったものの、朝乃山の左つま先が、勢い余って相手が土俵を割る前に蛇の目の砂を払ったように見えた。そのため物言いがつく。審判が土俵に上がって協議。その後、阿武松審判部長がマイクを持って説明を始めたが…。

 「行司軍配は朝乃山に上がりましたが、佐田の海の踵が先に出ているのではないかと物言いがつき、協議した結果、佐田の…朝乃山の踵が足が出ており、朝乃山の勝ちと決定しました」と続けた。さすがにこの言い間違いの連発には、館内のファンもどよめく。佐田の海の踵が先に出ていたのなら物言いがつかなくてもいいんじゃない?朝乃山の踵が先に出ていたの?どっちが勝ったの?

 勝者に渡すための懸賞を手にした呼び出しも、一度は土俵に上がって行司に託そうとするが、すぐに下りた。朝乃山も土俵に上がりかけたものの二字口前にとどまった。

 館内の微妙な空気を察知した阿武松審判部長は再度、マイクを握る。そして「佐田の海の踵が出ており朝乃山の勝ちとします」と言いなおして、安どした館内から拍手が起こった。

 1敗で首位に並んでいた鶴竜と栃ノ心がその後の取組でともに敗れ、ついに単独首位に立った朝乃山。土俵に上がって勝ち名乗りを受け、何事もなかったような表情で西の花道を引き揚げた。

 「足が出たかどうかは分からなかった。2桁(勝利)は一つの目標だったので今後も平常心で取りたい」と話していた。

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