多くのスポーツトレーナーを輩出…常陽学園・渡邊理事長が考える人材育成プランとは

[ 2019年5月17日 05:30 ]

スポーツトレーナーの育成について語る常陽学園・渡邊賢二理事長
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 プロゴルファーの小田孔明の専属トレーナーらを輩出している学校法人・常陽学園(東京都中央区)が、スポーツトレーナーの育成に力を注ぐことになった。健康増進を目的にスポーツに親しむ人口は増加傾向にあり、それと同時にケガの予防やケアをサポートする人材の重要性も増している。鍼灸、柔道整復師などを養成する東京医療福祉専門学校などを傘下に持つ同法人の渡邊賢二理事長(78)に人材育成、学校改革のプランを聞いた。

 男子開幕戦の東建ホームメイト・カップで、久しぶりに優勝争いを演じ、3位に入った40歳の小田孔明。復活の兆しを見せた元賞金王をサポートしたのが、渡邊理事長率いる常陽学園傘下の東京医療福祉専門学校(東京都中央区)のスタッフだった。同学園の卒業生は現在、多様な競技分野で活躍中で、渡邊理事長はそうした経緯を踏まえスポーツトレーナーの育成に従来以上に注力していく考えを明かした。

 「今までは世の中の需要に応じて理学療法士や作業療法士を育ててきました。その中にはJリーグやプロ野球界で活躍しているトレーナーもいます。これからは、より世の中の役に立つ人材をいかに育てていくか、ということを真剣に考えていかなければと思っています」。同学園は近年、本腰を入れてスポーツ分野の開拓を進めてきた。倉本昌弘や深堀圭一郎らのトレーナーを長く務め、ボクシングのWBA世界ミドル級前王者・村田諒太のサポートを行った山本忠雄氏を特別講師に招へいし、コンディショニングの指導にも乗り出した。このほど山本氏が日本ゴルフ協会の日本代表トレーナーに就任。その山本氏の薫陶を受けた芳野智秋・東京医療福祉専門学校副校長が、今季から小田の専属トレーナーも務めている。渡邊理事長はそうした山本氏らの協力を仰ぎながら、魅力あるカリキュラムづくりのプランを練っている。

 「今ある理学療法科の中でコンディショニングトレーナーの勉強を増やすのか、それともスポーツトレーナーという大きなくくりの中でそうした学科をつくるのか。ちゃんと筋道の立ったカリキュラムを組んで、なおかつそれに精通した人たちを教員の中に加えていくということを含めて勉強中です」。既に山本氏からは、ケガの予防やケアを目的にしたスポーツコンディショニングを実践的に学べる専門講座の提案も受けているという。

 「学問的な裏付けは山本先生が何十年間か培ってきたものをまとめてくださっている。芳野副校長も山本先生の教えを受けてボクシングや小田さんの助っ人にいっている。彼の意見も重要視しながら彼を含めてチームを組んで考えていきたい」。

 同学園には大学1校と専門学校2校があり、新たなカリキュラムを理学療法士養成の専門学校東京医療学院(中央区)で採用するアイデアも温めている。「東京医療学院大学(多摩市)で増やすという手もありますが、そういう特殊な分野の勉強をきちっとするとなると、都心の方がいいかもしれないですね」と渡邊理事長。その構想が具体化していけば、同学園から日本のスポーツ界を支える人材が数多く輩出される日もそう遠いことではないかもしれない。

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2019年5月17日のニュース