久光製薬が初代女王 流れを変えた最終セット後の15分 バレーボールVリーグ

[ 2019年4月13日 20:04 ]

バレーボールVリーグ女子プレーオフ決勝戦最終戦・ゴールデンセット ( 2019年4月13日    武蔵野の森総合スポーツプラザ )

Vリーグ女子の初代チャンピオンに輝き、トロフィーを掲げる岩坂名奈主将(中央)ら久光製薬のメンバー
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 最終戦をフルセットの末に落とした久光製薬が、続いて行われた1セット制のゴールデンセット(GS)で東レを25―18で下し、再編された新リーグの初代女王に輝いた。旧プレミアリーグ時代を含めれば、2年連続7度目の優勝となった。

 1日計6セットの死闘を制しての戴冠に、主将の岩坂名奈は「こんなに苦しい試合はなかったが、最後は勝ち切れて良かった。全員で勝ち取った優勝だと思う。いろんなことを経験させてもらって今がある。(GSは)経験やプライドが出たのかなという印象です」と喜びを語った。

 決勝第1戦は3―0のストレート勝ち。勢いそのままに最終戦に臨んだが、逆に若手選手主体の東レの逆襲に遭った。酒井監督が「先週効いていたサーブが効かず、相手のレシーブが乱れない。ラリーになってもヤナ(クラン)さんや黒後さんに取られてしまう」と振り返ったように、1週間前から修正を図ってきた相手に対応できず。加えて勝ち急ぐばかりに攻撃面で単調に。第1セットこそ31―29で奪ったが、第2、3セットを連取されると、最終セットも13―15で落とし、優勝へ暗雲が垂れ込めた。

 しかし岩坂や石井、新鍋ら国際舞台での経験が豊富な選手がそろうチームは、そこから逆境をはね返した。最終戦の最終セット終了から15分後に始まるゴールデンセットを前に選手は控え室に戻ると、全員が輪になって手をつなぎ、目と目を見合って心を落ち着けた。新鍋が「悪い流れの方が多かったが、控え室に戻ったら気持ちがリセットできた」と言えば、石井も「チームで戦おうと言葉を掛け合った。いい15分間を過ごせた」と証言する。少し遅れて控え室に戻った野本も「入った時に、いい雰囲気だった。ここまで来たら、できることをやり切るだけだと思い、気持ちを切り替えられた」という。GSでは3―3から、その野本のスパイクで初めてリードを奪うと、その後は東レを寄せ付けず、最後も野本がチャンピオンシップポイントを奪って優勝決定。コートに歓喜の輪が広がった。

 シーズン当初から優勝候補の筆頭に挙げられていたとはいえ、決して楽ではなかった初代女王への道。主将として重責を担ってきた岩坂は「今シーズン、いろんなことがあった中で、チームとして成長して勝てたことがうれしい。試合内容は良くなかった部分だったり、バタバタして勢いに飲まれた部分があったが、今後の課題にしたい」と話した。

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2019年4月13日のニュース