宇野 令和で5回転挑戦だ!世界初大技“不発”も復調手応え

[ 2019年4月13日 05:30 ]

フィギュアスケート世界国別対抗戦第2日 ( 2019年4月12日    福岡市・マリンメッセ福岡 )

<世界国別対抗 男子フリー>3回転半(トリプルアクセル)ー4回転トーループに挑戦した宇野昌磨(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 男子フリーは宇野昌磨(21=トヨタ自動車)が189・46点で3位に入った。基礎点が1・1倍となる後半に国際スケート連盟(ISU)公認大会で世界初となるトリプルアクセル(3回転半)―4回転トーループに挑戦。転倒したものの超高難度プログラムを滑りきった。攻めの姿勢で復調のきっかけをつかんだ21歳は、来季以降の5回転ジャンプ挑戦も口にした。日本は2位で、女子フリーなどが行われる13日の最終日を迎える。

 演技を終えると、宇野は舌を出し、苦笑いを浮かべた。そして一言、つぶやいた。「きつい」。今季集大成のフリーは、自己最高点に及ばない189・46点。それでも、息を切らし噴き出る汗を滴らせた21歳は「ここからスタートしていきたい」と確かな手応えを口にした。

 ぶっつけ本番で挑んだ4回転4発の超高難度プログラム。冒頭の4回転フリップ―3回転トーループの連続ジャンプに成功。後半は世界初のトリプルアクセル―4回転トーループにも挑戦した。4回転で転倒も、技そのものは認定された。「跳べないのは分かっていたけど、やるしかなかった」。自身を鼓舞しながら演じきった4分間で殻を破った。

 試練の時を迎えていた。先月の世界選手権は4位。表彰台を逃し、悔し涙を流した。それ以降は、我を忘れたようにジャンプの練習に打ち込んだ。「僕が世界のトップを走り抜く気持ちで練習していかなければ、トップで争うこともできない」。技術を磨き、再び勝負する。その一心だった。

 宇野は自らの欲に正直になった。来季以降は、この日挑んだ世界初の連続技は「自分の武器にできたらいい」と言い、さらに踏み込んだ。それは基礎点すら設定されていない人類未到の領域、5回転トーループ。「あまり公言したくないですけど。ただ練習するのはいくら公言しても“本番ではやりません”と逃げられるので、練習はしていきたい」。恥じらいの中にのぞいた、確かな自信。平成最後のフリーを終え、令和の時代で新たな戦いに突入する。

続きを表示

この記事のフォト

2019年4月13日のニュース