NHLに最も近い日本人・平野裕志朗「パワーとシュート力が持ち味」

[ 2019年2月9日 09:00 ]

NHL入りを目指して米国で奮闘する平野裕志朗(C)Wheeling Nailers
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 【NHLに最も近い日本人・平野裕志朗 1】NHL史上2人目の日本人選手に向けて大きな前進――。NHLからみて「3軍」にあたるECHLのウィーリング・ネイラーズでプレーしている平野裕志朗(23)が、1月13日にAHLのウィルクスバリ・スクラントン・ペンギンズと契約した。NHLの名門ピッツバーグ・ペンギンズの「2軍」にあたる。目標とするNHLの舞台にまた一歩近づいた平野が、本紙のインタビューに応じた。

 「(契約後に)自分の中の迷いがなくなり、すっきりさせてくれた。心の中の壁が消えて、本当の自分を目がけてプレーできる。まだまだ足りないとは思っていますけど、今までやってきたことは間違いないではなかったのかな」

 現在プレーしているのはまだ「3軍」。しかし、迷いの消えた平野は契約が発表された13日から取材日までの7試合で13ポイント(5ゴール、8アシスト)と大暴れした。

 「氷上の格闘技」と呼ばれるアイスホッケー。タフでフィジカルの強さが求められる競技で、平野のポジションは得点に絡むことが期待されるFWだ。1メートル85、100キロという堂々たる体躯(たいく)の23歳は、「パワーとシュート力が自分の持ち味」と胸を張る。

 もともとアイスホッケー選手だった父親の影響もあって、3歳で競技を始めた。白樺学園高校を卒業後、スウェーデン、米国のジュニアリーグを経験。日本代表にもU18から選ばれ、その過程で「自分のシュートは誰にも負けない」という自信を持つようになった。実際にそのシュート力が世界にも通用することは、ゴールゲッターとしてのポテンシャルをAHLからも評価されたことでも明らかだ。

 NFL、MLB、NBAとともに4大スポーツに含まれるNHL。その舞台にたどり着いた日本人選手は、2007年にロサンゼルス・キングスのGKとなった福藤豊ただ一人。日本人離れしたサイズとパワーを持つ平野なら、GK以外としては初めて大きな壁を破れるかもしれない。(杉浦大介通信員)

 ◆平野 裕志朗(ひらの・ゆうしろう)1995年(平7)8月18日生まれ、北海道出身の23歳。白樺学園を経てスウェーデンや米国のジュニアリーグ、アジアリーグ(東北フリーブレイズ)などでプレー。今季からNHLの「3軍」にあたるECHLのネイラーズに所属し、1月中旬に契約した「2軍」のAHL・ペンギンズへの昇格に備えている。2月7日終了時でチーム2位タイの13ゴール、同3位の22アシスト。18歳以下、20歳以下で日本代表に選出され、代表通算28試合で7ゴール9アシスト。1メートル85、100キロ。

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