グリズリーズ・渡辺、“田臥超え”の10得点 日本人初の1試合2桁

[ 2019年2月9日 05:30 ]

サンダー戦で切り込むグリズリーズの渡辺(AP)
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 NBAグリズリーズとツーウエー契約を結ぶ渡辺雄太(24)が、日本人選手初の2桁得点をマークした。7日に敵地オクラホマ州オクラホマシティーで行われたサンダー戦で第1クオーター(Q)途中から出場。自身最長となる26分46秒のプレーで10得点5リバウンドをマークし、04〜05年にサンズでプレーした田臥勇太(現栃木)の1試合7得点を上回った。試合は95―117で敗れた。

 渡辺は第1Qの残り5分22秒からNBA10試合目のコートに立った。残り4分、自軍ゴール下で相手パスをスチールして速攻を仕掛け、自身の背中を通すドリブルも交えた突破からレイアップを決めて初得点。フリースロー(FT)2本とフィールドゴール(FG)を加えて前半だけで自身最多の6得点を挙げると、第4Q残り5分11秒にはFT2本を沈め、04年に田臥がNBAデビュー戦でマークした1試合7得点を超えた。残り3分3秒にはドライブインからシュートを決め、自身最長の出場時間で初の2桁得点を記録した。

 「長い時間出させてもらうのは成長できるチャンス。チームのために考えてプレーした」

 低迷するチームは今季のトレード期限となったこの日、エースのM・ガソルら4選手を放出。ケガ人も出てプレー可能なのは8人だけという状態で、渡辺にも十分なプレータイムが与えられた。だが、相手からのプレッシャーが厳しくない場面もあった中で、課題のFGは8本中3本だけの成功。持ち味の守備では貢献したものの「オフェンスは前半から積極的にいけたが、もっと決められるシュートがあった」と反省した。

 グリズリーズは9日の次戦から移籍加入の4選手が合流可能。下部リーグのハッスルに所属しながら今季45日間のNBA登録が可能な契約を結ぶ渡辺は、既に半分以上の登録日数を消化しており、育成に方針を切り替えたチームでも今後の出番は微妙だ。正規契約を勝ち取るには全てに底上げが必要で、「ユウタなら使える、と思ってもらえるプレーをこれからも心掛けたい」と成長を期した。

 ◆渡辺 雄太(わたなべ・ゆうた)1994年(平6)10月13日生まれ、香川県出身の24歳。尽誠学園卒業後に渡米し、18年5月に米ジョージワシントン大を卒業。6月のNBAドラフトでは指名されなかったが、サマーリーグで活躍。7月にグリズリーズと、下部リーグを主戦場としながらもNBAでプレーできるツーウエー契約を結ぶ。2メートル6、93キロ。

 《田臥の1試合7得点》 04年11月3日、サンズのレギュラーシーズン初戦となったホークス戦(米アリゾナ州フェニックス)で第4Q残り10分から出場してNBAデビュー。残り6分33秒、フリースロー2本を決めてNBA初得点をマークすると、残り5分で3点シュートを決めるなど7点を挙げた。しかし、その後の出場3試合は無得点で、同年12月18日に解雇となった。

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