紀平、左手薬指負傷の影響か…3A失敗も 5.06差の5位で逆転圏!

[ 2019年2月9日 05:30 ]

フィギュアスケート 四大陸選手権第1日 ( 2019年2月7日    米カリフォルニア州アナハイム )

左手負傷も耐えた!!演技する紀平(撮影・長久保 豊)
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 欧州以外の国・地域が参加する大会が開幕した。女子ショートプログラム(SP)では大会前に左手薬指第2関節を亜脱臼した紀平梨花(16=関大KFSC)が、最初のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の失敗が響いて、68・85点で5位と出遅れた。首位のブレイディ・テネル(21=米国)とは逆転圏内の5・06点差。今季の国際大会で負けなしの16歳は8日(日本時間きょう9日正午開始)のフリーで逆襲を狙う。

 負傷を抱える紀平のチャレンジが裏目に出た。最初のトリプルアクセルに失敗。1回転半になり、規定でこのジャンプの得点は0点になった。

 5日の練習中にジャンプで転倒して左手薬指を亜脱臼。確実に得点を稼ぐために、他のジャンプに重点を置いた。前夜は約30分のアイシングと超音波治療。痛みは和らいだ。演技前の練習後に「トリプルにしよう」と決意した。浜田美栄コーチ(59)の「真のチャンピオンになるには、こういう試練も必要。挑戦だと思って頑張って、と言ってもらった」というメッセージも心に響いた。

 しかし、準備不足は否めなかった。「練習で今までにないくらい少ない数しか跳んでいなかった。あのミスは起こってもおかしくない」。浜田コーチは「決めたのは自分(紀平)。でも迷いが出たかな。あのスピードじゃ」と、教え子の心を言い当てた。

 新たな課題も出現していた。テーピングで薬指と小指を固定するため、スケート靴のひもを思うように結べなくなった。元々繊細な感覚の持ち主。午前の練習中は、何度も結び直した。

 関係者が慌てて会場内のスケートショップで、ひもを結ぶ専用の道具=写真=を4ドル(約440円)で購入。「道具を使って強く締めることにした。それがうまくいって良かった」。足元の不安を解消して、代名詞のジャンプの失敗以外はまとめた。フリーへの光明だった。

 「アクセルはああなったけど、今回の演技は練習からしたら、すごくいい出来だったとも思っている」

 首位テネルとは5・06点差あるが、逆襲には実績がある。NHK杯は6・58点差をひっくり返して優勝した。今季の国際大会4戦4勝のデータが心強い。4ドルで得た安心もある。「トリプルアクセルは1本は絶対に入れると思います」。大技は通常の2本から1本に落とす。それでも巻き返

【紀平の逆転劇】

 ☆GPシリーズNHK杯(18年11月9〜10日) SP冒頭のトリプルアクセルで転倒し、69.59点の5位発進。首位と6.58点差からフリーでトリプルアクセル2本を完璧に決めて154.72点をマーク。合計224.31点の高得点でデビュー戦優勝を果たした。

 ☆同フランス杯(同23〜24日) SP冒頭のトリプルアクセルが1回転半となったが、後半をまとめて首位と0.31点差の67.64点で2位スタート。フリーでは2つ目のトリプルアクセルを2回転半―3回転トーループに変更し、全体トップの138.28 点、合計205.92点で連勝した。せる破壊力を、今季のGPファイナル女王は秘めている。

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2019年2月9日のニュース