【吉田沙保里さん引退会見 全文(4)】恩師・栄氏に感謝 パワハラ問題は「本当にショック」

[ 2019年1月10日 17:55 ]

笑顔で引退会見を行う吉田沙保里さん(撮影・吉田 剛)
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 レスリング女子で五輪3連覇を達成し、8日に現役引退を表明した吉田沙保里さん(36=至学館大職)が10日、都内で引退会見を行った。吉田さんは「レスリングはすべてやり尽くしたという思いが強い」と引退を決断した理由を語った。

 会見での一問一答は以下の通り。

――リオ大会で、「霊長類最強と言われていても私の娘。立派な銀メダル」とコメントした(吉田さんの)母親と今回、どんな話をした?

「あなたが決めたことだからそれでいいと思うよ、と。本当にご苦労様って声をかけてもらった。なんでも話し合える姉妹みたいな母。涙もなく笑顔でそういうふうに話せました」

――故郷・三重県への思い、メッセージは?

「18年間、実家でレスリングを続けていく中で、地元の皆さんの応援は大きな励みになりました。感謝の気持ちでいっぱいです。優勝するたびに故郷に帰るとたくさんの方が声をかけてくれて、みんなが親せきのように接してくれるのでうれしく思ってました」

――マットに別れを告げたのはいつ?

「まだ別れは告げていないですね。後輩たちと練習していますので。現役選手としてしっかりとマットに別れを告げないといけないかなって思ってます。でも、これからまだまだ後輩たちと汗を流していくと思うので(別れを)告げることもないかなって思いながら頑張っていきたいと思います」

――昨年、女子レスリング界が揺れました。どんな思いでいたか?

「私をここまで世界で活躍する選手に育ててくれた栄監督と、今までともに頑張ってきた仲間が、ああいう状況になってしまったことは本当にショックでした。真実ではない報道もあったかもしれないのですが、そんな中でコメントすることは難しかったです。これからどうしていくんだろうという思いも強かったですし、若い後輩たちが悩まされて思い切り練習できなかったり、試合で結果が出せなかったりという部分が一番つらかったです。もう次に向かって頑張っていくしかないと思いますので、前を見て東京五輪に向けてひとつになって頑張っていかないといけないかなと思っています」

――自身の考える吉田沙保里の強さ、強みは?

「やはりタックルで攻めるというのが一番の強みだし自信を持っていたところです。小さい時から父に叩き込まれたタックルを信じ、これまでずっとタックルで相手を倒してきたので、絶対的に自信を持っていました。期待されているのは分かっていましたし、皆さんの応援、声援をパワーにかえて頑張っていました」

――日本人プロレスラーとして初めて性同一性障がいであることを公にした朱崇花(あすか)さんをどう思い、日本のLGBTをどう考えているか?また結婚の予定は?

「最初の2つはあまりよく分かりません。(結婚の予定は)ないです」

――子どもたちへのメッセージをお願いします

「目標と夢は、絶対につくってほしい。最後まであきらめない気持ち、頑張り続ける気持ちを大切にして、指導者の言うことを素直に聞いて目標に向かって頑張るのみだと思います」

――最後に会心のタックルを決めた相手は?

「タックルしすぎて記憶にないですね。(リオ五輪の決勝の)ヘレン選手が最後に戦った選手ですが、会心のタックルはできなかったので、その前ですかね」

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2019年1月10日のニュース