大阪桐蔭・綾部監督、涙の日本一「タフな選手に成長してくれた」

[ 2019年1月8日 05:00 ]

第98回全国高校ラグビー最終日 決勝   大阪桐蔭26―24桐蔭学園 ( 2019年1月7日    東大阪市・花園ラグビー場 )

松山主将(右)らフィフティーンに抱き着かれる大阪桐蔭・綾部監督(撮影・北條 貴史)
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 教え子たちが泣きながら飛びはねる。松山主将と固い握手を交わした瞬間、普段表情を変えない綾部監督の目から涙がこぼれた。

 「タフなことができる選手に成長してくれました。去年の決勝で負けたあの悔しさをエネルギーに変えて。君たちが日本一だよ。おめでとう」。05年11月に大阪桐蔭の監督に就任。13年度春の選抜大会で全国を制したとはいえ、各校とも完成度を上げてぶつかり合う花園での優勝は格別。準優勝に終わった前回大会以降は悲願に変わった本当の意味での日本一のタイトルをついに手にした。

 「できないことを押しつけて。そんな時代もありました」。綾部監督が振り返るのは11年度の花園予選。自信を持って送り出したチームが決勝で大阪朝鮮高に19―20で逆転負け。ここから指導方針を転換した。一方通行の指導はしない。個性を伸ばす。そのため選手との対話を重視した。会話の中身は私生活にも及ぶ。「いろんなことが分かってないと要求はできません」。選手との信頼関係は徐々に強固になった。

 今大会の登録30人全員が花園を経験。誰が出場しても遜色ない分厚い選手層の基礎となるスカウティングもこの対話から始まる。「体の強さ。足の速さ。最後は元気かどうか。必ず選手とは話をします」。松山ら兄弟で大阪桐蔭という選手も多数。綾部イズムに、多くの選手が居心地の良さを感じている。

 <野球部も声援 西谷監督「刺激もらった」>○…級友の全国優勝にスタンドが沸いた。野球部は前主将の中川らが応援に駆け付けた。春夏連覇、秋の国体も台風の影響で4校同時ながら1位になった野球部と合わせ、学校として今年度の春夏秋冬の全国大会で日本一に輝いた形。西谷浩一監督は「頑張っている姿を近くで見てきて野球部のみんなも刺激をもらった。自分たちも一から頑張りたい」と表情を引き締めた。

 ▼ロッテ藤原(大阪桐蔭3年) 感動しました。ラグビー部とは仲が良く、スクワットで200キロ上げる姿に刺激を受けたりもしました。ガッツあふれる勇姿に力をもらった気がします。

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