混乱の来季女子ゴルフツアー 放映権巡り明確説明なかったツケが出た形に…

[ 2018年12月31日 09:00 ]

LPGAの小林浩美会長
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 2019年の女子ゴルフは、本来なら3月第1週のダイキン・オーキッド・レディースから11月最終週のツアー選手権リコー杯まで、39週間連続でトーナメントが開催されるはずだった。ところが12月18日に行われた日程発表では、3週間の空白期間が発生。4月第3週のKKT杯バンテリン・レディース、5月第4週の中京テレビ・ブリヂストン・レディース、9月第4週のミヤギテレビ杯・ダンロップ女子が、カレンダーから消えた。

 これまで所在が不明瞭だった放映権の帰属を巡って、一括管理を目指すLPGA(日本女子プロゴルフ協会)と長くツアーを支えてきたテレビ局の協議が難航し長期化。12月13日の最終期限までに、LPGAの趣旨に賛同しなかった日テレ系列のテレビ局が主催する3大会が中止となった。

 財政基盤の強化はLPGAの最重要課題。世界各国を見ても、放映権の取得は当然の権利かもしれない。しかし、選手をはじめとして各方面に明確な説明を行わなかったツケが、ドタバタぶりに拍車をかけている。あるテレビ局の関係者は話す。「われわれとしてはまだ協議を続けたかったのに、具体的な説明や回答がないまま一方的に打ち切られた。大会を継続したい気持ちは変わらないのに、会見で中止とされたこともショックでした」。LPGAの強硬な姿勢には疑問を投げかける声も多く、18日の会見で小林会長が「36大会が合意した」と発言したことに対し、主催者から「事実と違う」などの声が噴出。日本トーナメント振興協会(GTPA)が意見書を送付する方針を固める事態に発展した。LPGAは当面、放映権は取らないと主張したが、今後発生した場合は撤退する主催者が出てくる可能性も否定できない。

 中止となった3大会は被災地の熊本、宮城で開催される唯一の大会も含まれており、反響も大きかった。主催者には地元のファンなどから開催への要望が殺到。選手約70人の連名による開催継続の協議再開を求める「お願い状」も届き、ミヤギテレビなどは年明けにも協議再開の要望をLPGAに通達した。

 LPGAはインターネットによる有料ライブ放送を来季開幕から実施する意向だが、依然として媒体や取材の規模などが決まっていない。「やるやるといっても、(ネット媒体用の)機材をどこに置くとか、大事な点が全くLPGAから出てこない。これでは(契約)判は押せない」(中止となった大会を主催するテレビ局関係者)。いったい、事態の収束はいつになるのか。開幕は3カ月後に迫っている。(記者コラム)

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2018年12月31日のニュース